INTERNET Watch Title
Click

【業界動向】

NTT、家庭の電話機から情報閲覧・メール利用ができる「Lモード」を発表

■URL
http://www.ntt-east.co.jp/release/0010/001018a.html (NTT東日本)
http://www.ntt-west.co.jp/news/0010/001018a.html (NTT西日本・内容は同じ)

Lモードのロゴ
 NTT東日本とNTT西日本は、家庭の電話機を使ってインターネットコンテンツの提供を行なう新サービス「Lモード」の概要を発表した。サービス開始は来年の春頃を予定している。

 「Lモード」は一般加入電話(アナログ)とINSネット(ISDN)の契約者を対象とした新サービス。このサービスに対応した家庭用電話機やファクスから利用するもので、ICカード公衆電話や、専用の携帯端末からも利用可能だ。初期設定は不要で、対応機器を接続し、機器の「Lボタン」を押すだけで自動的に設定が行なわれる。アクセスポイントは全国に設置する予定で、「8~9割の人が3分10円で利用できる形を目指す」(NTT東日本・営業部ネットワークサービス部門 大賀公子氏)という。プッシュボタンや液晶が画面を大きくし、メニューによる選択形式で、誰でも簡単に使え、また基本使用料の予定価格が数百円程度と、安価な点も特徴だ(通話料金は別)。

 機能面では、生活関連の情報提と在宅取引を提供する「情報検索サービス」と、メール送受信の「メールサービス」の2つが主体となる。「情報検索サービス」では、天気予報やタウンガイドなどの“地域情報サービス”、通販や宅配注文、オンラインバンキングを行なう“在宅取引”、医療情報や緊急時の連絡先を教える“生活支援情報”、スポーツやニュースなどの“教養娯楽情報”といった内容からなる。地域情報はユーザーが住んでいる市町村レベルをフォローし、生活に密着した情報を届ける方向だ。ユーザーがファクスからアクセスした場合、希望の情報をファクスに出力もできる。

 「メールサービス」では、最大2,000字のメールを送受信できる「Lメール」がメインとなる。メールアドレスは「ユーザーの電話番号@pipopa.ne.jp」が与えられ、電話番号の部分はユーザー希望の文字列に変更も可能だ。INSネットの契約者の場合、iナンバーサービスを利用して最大3つのメールアドレスが取得できるほか、ISDNのDチャンネルを利用して最大40文字のメールをやりとりする「Sメール」サービスも利用できるという。

対応電話機のイメージ
 「Lモード」には、「PCやiモードなどでインターネットが普及する一方で、主婦や子供、高齢者といった層がインターネットをうまく利用できず、新たなデジタルディバイドを生み出している」(大賀氏)との背景がある。高齢者の場合、iモード端末ではボタンや液晶文字が小さく使いづらい、また利用料が高いといった声も出ている。こうした層に向けて、“簡単・便利・安価”にインターネットに親しめるサービスの提供を図るものだ。「ナンバーディスプレイがスタートして以来、家庭用電話機製品に液晶が標準搭載されるようになった。また今年の夏ぐらいから家庭用電話機の液晶の性能が大幅に向上して見やすくなり、電話機自体の値段も依然より下がっている」(大賀氏)状況にあり、Lモード対応電話機は現状の電話機より数千円高いか、同程度の価格で提供できるという。

 「Lモード」サービスのゲートウェイは東西NTTに1つずつ設け、各コンテンツプロバイダーとは専用線かインターネット経由で接続される。コンテンツの記述言語はiモードと同じコンパクトHTMLを採用しているが、表示された情報をファクスに出力する「Fax to機能」に対応している点が異なるという。

 NTTではこの発表を皮切りとして、コンテンツプロバイダーや家電メーカーへのアピールを行ない、来春のサービス開始を目指す。また11月には東西NTTのWebサイトで専用コーナーが登場する予定だ。

(2000/10/18)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


INTERNET Watchホームページ

INTERNET Watchグループinternet-watch-info@impress.co.jp