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紀伊國屋と米Microsoft、電子書籍事業で提携

■URL
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/ (BookWeb)
http://www.microsoft.com/presspass/press/2000/Oct00/KinoUSPR.asp (プレスリリース)

 株式会社紀伊國屋書店(以下紀伊國屋)と米Microsoftは1日、インターネットで配信する電子書籍(eBook) 事業で提携すると発表した。Microsoftが技術を提供し、紀伊國屋が来春からサービスを開始する。

 今回の事業提携により紀伊國屋は、書籍販売サイト「BookWeb」に、Microsoftが開発した著作権を守りながら迅速にコンテンツを配信できる「Digital Asset Server(DAS)」を組み込み、「BookWeb」上に電子書籍を販売する仮想書店「eBook店舗」を開設する。ユーザーはこれまでと同じインターフェイスで、紙で出版された書籍だけでなく国内外の電子書籍が購入できるようになる。来春には英語版の電子書籍、2001年中頃には日本語版の電子書籍を販売する予定だ。電子書籍の購入と閲覧にはMicrosoftが無料配布する電子書籍用アプリケーションソフト「Microsoft Reader」をパソコンや携帯情報端末にダウンロードすることが必要となる。

 紀伊國屋の高井省吾副社長は、電子書籍事業について「書籍は総合書店に集まるという特徴を生かしてデジタルコンテンツを集めたい」と抱負を語った。また、「収益を出す仕組みを作れるか」との質問に対して「収益の見通しは立っていないが、将来確実に電子書籍という流れができてくる」とし、他者に先んじて事業を開始することに意義があることを強調、長期的な視野に立った事業展開との位置付けを明確に示した。

 一方、Microsoftの古川享バイスプレジデントは「次世代の書籍という肥沃な土壌を作っていきたい」と述べ、国内最大の書店と世界最大のコンピュータソフトメーカーが提携することで書籍の新たな販売・流通形態や読書スタイルを普及させていくかまえだ。

 今後、紀伊國屋では、ハードウェアメーカーからの電子書籍専用ビューワーの提供や店頭でのキオスク端末による「Microsoft Reader」タイトル販売も検討している。なお、多数の欧米大手出版社が「Microsoft Reader」に対応したコンテンツ提供を表明しているほか、国内でもすでに株式会社角川書店がコンテンツ提供を表明している。紀伊國屋では、その他国内大手出版社にも参加を呼びかけていく。

(2000/11/1)

[Reported by moriyama@impress.co.jp]


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