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不動産デベロッパーの東洋アレックスは1日、東京都大田区に、IT機能を装備した高級分譲住宅「H-IT-S 田園調布」2棟を開発し、同日より販売を開始すると発表した。通信/放送サービス用の配線を各部屋に張り巡らせたほか、家電機器のコントロールをパソコンなどから集中的に行なえるようにした。2001年3月の竣工予定で、価格は7億800万円と7億1,800万円(ともに税込)。
「H-IT-S(ヒッツ)」は、同社が展開している高級住宅ブランドで、「Housing Integration of Technology & Software」の略。情報通信配線のほか、空調や照明などを集中制御できるホームオートメーションシステム、セコムのセキュリティー機器などを装備するのが特徴だ。今回発表されたH-IT-S 田園調布は、その中でも最上級クラスに位置づけられるもので、それぞれ敷地面積が約140坪、地上2階/地下1階の鉄筋コンクリート造で、東急東横線の田園調布駅から徒歩3分という高級住宅地に立地する。
情報通信設備としては、LAN、CATV、CS/BS、電話の各回線があらかじめ敷設されており、各部屋に設置された情報コンセントから接続が可能。1台のTAで各部屋からインターネット接続を共有したり、ビデオデッキやCS/BSチューナーなどが利用できるようになる。また、将来的に光ファイバーによるサービスが登場することを想定し、このための予備配管があらかじめ各情報コンセントまで通される。
ホームオートメーションシステムでは、空調、照明、カーテンの開閉をはじめ、電源コンセントにつなぐものならすべての機器のオン/オフが制御可能だ。しかも、居住者に合わせ、あらかじめ設定したプログラムによって管理できるようになっている。例えば、朝7時に自動的にカーテンを開く、夕方になったらリビングの照明を点ける──といった生活パターンを“シナリオ”として作成すれば、あとはこれにしたがって自動的に制御される仕組みだ。シナリオ作成などの詳細な設定はWindowsパソコンから入力する必要があるが、普段の操作やシナリオの切り替えについては、リモコンや壁面に設置されたLCDタッチパネルから行なえる。また、外出先からiモードで制御する技術も開発する予定だ。
東洋アレックスではこれまで富裕層をターゲットにした住宅を開発してきたが、「ビル・ゲイツのお屋敷がITでコントロールされているのを聞いた」(桑木勇一代表取締役社長)のをきっかけに、IT化住宅の検討・開発に着手した。H-IT-S 田園調布では、通常の高級住宅の数倍に及ぶコストが配電盤や情報通信設備にかけられるという。
(2000/11/1)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]