【業界動向】

実現に近づく「インターネット大学院」 ~信州大が計画中

■URL
http://www.monbu.go.jp/singi/daigaku/00000382/ (大学審議会の答申)
http://www.shinshu-u.ac.jp/ (信州大学)

 オンラインで受講して修士の資格を得られる「インターネット大学院」が、実現に向けて動きだしている。

 これは文部大臣の諮問機関である「大学審議会」が先ごろ提出した、「グローバル化時代に求められる高等教育の在り方について」という答申の内容などから明らかになった。
 この答申はグローバル化時代を担う人材や情報通信技術の活用、学生や教員等の国際的流動性の向上などを踏まえた高等教育改革について述べているもので、なかで「遠隔授業による習得することのできる単位数の見直し」、「インターネット等活用授業の遠隔授業としての位置付け」といった提案がなされている。これは通信制の大学や大学院で、従来は直接対面授業による習得が必要とされていた単位数を、今後遠隔授業のみで修得することを可能にし、また電子メールやテレビ会議などを活用した授業を遠隔授業として認めるなどの内容を含んでいる。つまり、通信制の大学・大学院などで、インターネットを使った遠隔授業で必要な単位をすべて修得して卒業することも可能になったわけだ。

 この実現に向けて動き始めているのが、長野県の信州大学 大学院。情報工学専攻で社会人向けに「インターネット大学院」コースをパイロット的に設ける方向で、現在計画中の段階という。理工学系は実験などの関係で従来は通信制に対応しにくいとされていたが、情報工学の場合、PC上で実験や研究が行なえるため、インターネットによる授業でも差し支えないとしている。
 面接などで学習意欲を重視する入学選抜試験を行ない、ビデオオンデマンドによる放送講義や、テレビ会議での面接授業、電子会議やチャットを利用した討論などで、時間や空間の制限をなくした授業の提供を目指していく。

 先の答申を受けて文部省は法令改正を行なう予定で、早ければ2002年から、インターネット大学院が実現する方向という。

(2000/11/28)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp / ymasa@wizvax.net]


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