【業界動向】

「携帯は地球的な現象、米企業は乗り遅れてはならない」~NYNMAが警告

■URL
http://www.nynma.org/

 欧州のコンサルタント会社Roland Berger Strategy Consultantsと米国の非営利団体New York New Media Association(NYNMA)は27日、携帯電話関連の調査報告書「Dial M for Mobile」を発行した。

 その中で、Roland BergerのアソシエートパートナーEric Kintz氏は「ここ数ヶ月で携帯電話のアプリケーションは米国の全ての産業とビジネスプロセスをひっくり返すだろう。それは携帯電話によるエンターテインメントから進化したSCMにまで及ぶだろう」と指摘した。また、この報告書の共著者でもあるKatherine Pendill氏は「これこそが本当に次の『大物』なのだ。どの分野のどの企業にも参加すべき重要な機会がある。これは初めてのことだが、そのテクノロジーは米国からではなく、欧州やアジアから広まっている。あっという間にどこにでも存在するようになったのだ。これは初めての、真に世界的な現象なのだ」とコメント。Kintz氏はさらに「最初に動く者が最良のパートナーを得ることにより決定的な優位に立つ」と米国企業に対してこの動きに乗り遅れないように警告した。

 この報告書によれば、携帯電話市場には現在4つの重要なトレンドがあるという。まずPendill氏は「ゲームについては、我々は無線ブロードバンド環境に移行しつつある。これから我々が眼にするのは携帯でAtariゲームをやっていたのが、携帯がPlayStationに変わっていく様だろう」と述べ、携帯によるブロードバンドがエンターテインメントに与える動きに注目した。

 携帯電話だけに注目しすぎてもいけない。Pendill氏は「我々が考えたこともないようなデバイスが登場してくるだろう。例えば、Sensatex社のスマートシャツは患者の心拍を無線で送信することができる」と例を挙げ、携帯電話とさまざまなデバイスとの連携、統合にも注目させた。また携帯電話に位置測定装置が装備されることにより、その人の位置をピンポイントで測定でき、これが新しいサービスを生み出す。そして最後に日本の「iモード」の成功を例に挙げ、DoCoMoがDisneyやBandaiと提携し、エンタテインメントに焦点を合わせたことを指摘。Kintz氏は「結果として十代が目標とするマーケットになりつつある」と分析した。

 そのほかにも携帯電話の表示スペースや帯域幅を考えてコンテンツを簡単にすることやノートパソコンやPDAとの連携強化にも注意を喚起した。

(2000/11/28)

[Reported by taiga@scientist.com]


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