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■URL
http://www.arthurandersen.com/
米コンサルティング会社のArthur Andersenは28日、ハイテク、メディア、通信企業の幹部職員が来年どのような課題に直面し、決定を迫られるかということについて調査した結果を明らかにした。
これは、北米、欧州、アジア太平洋、ラテンアメリカの125の企業に対して行われた調査をまとめたもので、興味深いことにそれぞれの企業が直面している具体的な課題は異なるものの、共通する5つの課題が浮かび上がっている。
●デジタル市場の爆発的成長
同社の調査によれば、デジタル市場の市場規模は今年から来年にかけて約2倍に成長すると思われる。このような成長は、売る側にとっても買う側にとっても大きな利益を上げる機会となるが、それは顧客のニーズを把握し、それを解決するためのソリューションを提供した場合に限られる。
●ワイアレス革命
モビリティー、特に無線データアクセスに関連する事項は企業幹部の関心事の上位を占めた。これらは通信企業だけでなく、メディア、エンターテインメント産業、ハイテクアプリケーション、ハードウェア部門でも共通に見られる現象だった。モバイルコマースであれ、携帯による音声やデータ、コンテンツアクセスであれ、ともかく携帯がビジネスモデルに入っていなければ、今入れなければならない、というのがこれら上級幹部に共通する考えだ。
●さまざまな意味での統合(コンバージャンス)
市場の有様は変化しつつあり、企業が単一の製品やサービスを提供することは難しくなってきている。ニューエコノミーでは企業は製品を提供するのではなく、一揃いのサービスを提供するのだ。こうした仕方で製品ラインは統合されていく。
また別の統合もある。企業間競争の統合だ。調査に回答した50%の企業幹部は自分の企業とは直接の関係のない新分野での競争に強い関心を持っていることが分かった。また彼らは同じ分野の他企業からの脅威だけではなく、まったく異分野の企業からの脅威を感じている。もはや産業の分野を区分けする線はぼやけてきており、どの分野で競争していくのか、と言ったことについて難しい戦略的決定を迫られることになる。
●人材獲得戦争
インターネットビジネス分野で株価の調整があった後でも、大企業から才能ある人材が驚くほどの勢いで流出している。ハイテク、メディア、通信のどの分野の企業幹部も人的資産を引きつけ、補強することに関連した事項を早急に行わなければならないと感じている。
●価値の創造
最近の株式市場の後退によって、株主に長期的な利益をもたらす株価を創り出すことは流行から突然遠のいたかに見える。来年は目に見える実際的な価値の創造が重要課題として持ち上がるだろう。企業の収入が増えることに対する関心は持続するだろうが、違う形の重要な価値の創造、つまり顧客サービスの質の向上、サプライヤーとの接点の効率化、鍵となる従業員の満足度の向上、などといったことだ。
(2000/11/29)
[Reported by taiga@scientist.com]