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【業界動向】

米Ipsilが世界最小のTCP/IPスタックチップを開発
ギネスブックに申請中

■URL
http://www.ipsil.com/news/index.htm

 MIT Media Labから派生したベンチャー企業の米Ipsilは4日、ほんの小さなシリコンの固まりに5,000あまりのゲートで構成されるTCP/IPスタックを開発したことを発表した。この製造コストは1ドルを割り、その小ささと相まって、「全ての物をインターネットにつなげる」という大方の人が抱いているビジョンを実現するための鍵となる製品として、同社は製品を発表した。

 この製品を開発したIpsilの創業者H. "Shiri" Shrikumar氏はギネスブックを見ているときにこのアイディアが閃いたという。「最も小さなWebサーバーの世界記録を見たときに、もっと小さなバージョンのTCP/IPを実装するためのより良い方法があるに違いないと気づいた」という。1999年の6月には世界最小のWebサーバーを開発し、このサーバーは1年以上にも渡って1,000万ヒットのアクセスに耐えてきた実績がある。こうしたことを踏まえて、Shrikumar氏は今回新たに開発したTCP/IPスタックを特許出願すると同時にギネスブックにも申請中である。

 Shrikumar氏はこの技術の可能性について「我々は突然、何十億、もしかしたら何兆ものデバイスをインターネットやイントラネットにつなぐことについて現実的な言葉で話すことができるようになった」とコメント。同社ではおもちゃ、ゲーム、家を制御する各種装置、自動車の部品、医療機器、センサー、その他の家電製品など一般消費者向けの応用のほかにも、産業用のプロセス制御、計測機器、観測機器など工場やプラント向けにも役立つ応用があると考えている。

 同社ではこの技術をIPとしてチップメーカーなどに売却、あるいはライセンスする事を計画している。Ipsilという社名はIPとSiliconから来ている。

(2000/12/5)

[Reported by taiga@scientist.com]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp