【業界動向】

64kbsで128kbs相当の音質を再生できるMP3コーデックが欧州で開発中

■URL
http://www.thomson-multimedia.com/
http://www.codingtechnologies.de/news.htm

 仏Thomson Multimediaは、今までのほぼ倍の圧縮性能を持つMP3コーデックを開発中であることを10日明らかにした。このコーデックを開発しているのは独Coding Technologiesという私企業で、この会社はスウェーデンのオーディオ圧縮技術企業と独Fraunhofer Institute for Integrated Circuitsとの間に生まれたスピンオフ企業である。またThomson MultimediaとFraunhofer Institute for Integrated Circuitsは共同でMP3技術の基本特許を保有している関係にある。

 この新しいコーデックは「MP3PRO」と呼ばれており、64kbsのエンコーディングレートで128kbsのパフォーマンスを発揮するという。これによりMP3プレーヤーに搭載されているフラッシュメモリの容量をほぼ倍に利用することが可能になるほか、インターネットラジオ放送局はより細い帯域幅で同じCD品質の音楽を提供できるようになる。

 MP3PROは、既存のMP3コンテンツやプレーヤーとの互換性を保っている。既存のMP3コンテンツは、どのMP3PROプレーヤーでも再生することができ、またMP3PROフォーマットでエンコードされたコンテンツは既存のMP3プレーヤーで再生することができる。しかしながらMP3PROフォーマットでエンコードされたコンテンツの性能を発揮させるためには、MP3PROに対応したプレーヤーが必要となる。

 この新しいフォーマットに関する実際の製品はまだ存在しないが、最初に実装されるのはWindows 98、ME、MacそしてLinuxで、Thomson Multimediaでは製品は今年中頃に発表できると考えている。

(2001/1/11)

[Reported by taiga@scientist.com]


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