【業界動向】

日本IBM、人に優しいプロジェクト「ITry Project」を開始

■URL
http://www.jp.ibm.com/NewsDB.nsf/2001/01231 (プレスリリース)
http://www.lycos.co.jp/senior/ (LYCOSシニア)

 日本IBMは23日、初心者や高齢者、障害者など細かい画面の文字が見にくい人や入力機器の操作が苦手な人でも簡単にパソコンやインターネットに楽しめるようにする新プロジェクト「ITry Project(アイトライ・プロジェクト)」を発表した。「ITry」とは「IT」と「Try」を組み合わせた造語。

 「ITry Project」では、「パソコン」「アプリケーション」および「サーバー・ソリューション」の3つの観点からさまざまな取組みを行なう。まず第1弾として、画面上の文字を大きくしたり、クリック1回でソフトを起動できるようにするなどWindowsの設定を一括して変更できるユーティリティソフト「ITry Kit」を提供する(2月より同社サイトで無償ダウンロード)。また、ユーザーの自宅を訪問してPCの設置などを行なう「PCハウスコール訪問サービス」をベースにした「ITry Kit専用パッケージ」も提供する。この専用パッケージでは、PCの設置などに加え、「ITry Kit」の説明やインターネット・Eメールの操作方法およびPCの楽しみ方を教える講習サービスがセットになっている。同サービスは2月10日開始予定。なお、「ITry Kit」に対応した製品「AptivaEシリーズ7EJファミリー」5モデルも発表した。

 このほか、日本IBMでは、東京基礎研究所で研究開発を行なっているWebページのトランスコーディング技術を活用して、ライコスジャパンと共同実験を3月を目途に開始する。これは、コンテンツをサーバーからユーザーのプロファイルに応じてトランスコーディングするもので、ユーザーは自分の見やすい文字の大きさやコントラストを登録できるほか、ホームページの内容を見やすいように並べ替えられるなど「自分にあった見方」でWebサイトを楽しめる。ライコスジャパンは、シニア向けポータルサイト「LYCOSシニア」を本日開設したが、日本IBMでは同サイトにおいて、トランスコーディング技術を活用することで高齢者が利用しやすい表示ができるようにするなどユーザー・インターフェイスの改良を支援していくという。また、「ITry Project」の理念に賛同した企業とも今後同様の取組みを行なっていくかまえだ。

 「ITry Project」について、日本IBMの堀田一芙常務取締役は「これからは全ての人がITにやさしく挑戦できるアクセシブルな情報社会を想像していかなくてはならない時代。『使いやすさ競争』が起こる」とし、シニアに焦点を当てたことについては「21世紀にやらなくてはいけない競争」と述べるとともに、シニア市場の立ち上げには「シニア向けWebコンテンツの登場が不可欠」と指摘した。日本IBMでは、今後も引き続き「ITry Project」を推進することで、あらゆる人が用意にパソコンやインターネットに接続するための環境整備を目指していく。

(2001/1/23)

[Reported by moriyama@impress.co.jp]


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