【業界動向】

ソフトバンクがブロードバンド戦略を発表、Net2Phoneジャパン設立も示唆

■URL
http://www.softbank.co.jp/(ソフトバンク)
http://www.net2phone.com/(Net2Phone)
http://www.net2phone.com/corporate/ir/institutional_investors.html(Net2Phoneの戦略的インベスター)

孫社長
Strategic Integraterとしての群戦略
 ソフトバンクは25日、事業戦略説明会を行なった。孫社長は冒頭、自社のことを「単なる投資プレーヤーと呼ぶ人たちも多いが、各分野のトップ企業と組んでインフラとテクノロジーをベースに、その上にコンテンツやサービスを積み上げていくStrategic Integraterである」とした上で「ソフトバンク本体としてはブロードバンドに注力していく」と述べた。

 「5、6年前をインターネット普及の初期のチャンスだとすると、今後爆発的に普及するブロードバンド時代を迎えるにあたり現在は第2のチャンス」(同社長)と位置づけ、以前から関係のある米国Cisco systemsとの関係強化を図った。シスコに対して第3者割当増資を行なうとともに、両社で投資ファンド「SOFTBANK Asia Infrastructure Fund」を組成することで合意している。このファンドは、アジア・太平洋地域のブロードバンド技術を有するベンチャー企業への投資を目的とする。

 孫社長の予想では、現在の日本のインターネット人口(携帯端末除く)が3,000万人だとすると、そのうちADSLなどブロードバンドを利用しているのは20万人程度となり、これが今後5年のうちに人口8,000万人のうち3,000~4,000万人が占めるとみている。さらに、世界のインターネット人口が5年以内に10億人になり、うち米国が2億人に対しアジア地域は5億人と、アジアのインターネット人口が相対的に急成長するとも予想している。

 そのなかで、ソフトバンクとしては「Strategic Integrater」としてブロードバンドに対して関連・出資企業を集約して群戦略で攻めていく。群戦略をとる企業としては、海底ケーブル事業の「アジア・グローバル・クロッシング」(同社15%保有)、IPネットワーク機器の「UTStarcom」(48%保有の筆頭株主)、韓国のブロードバンドサービス会社「スルーネット」(実質上過半数の議決権を有する)、日本で光ファイバーを使った接続サービスを法人・マンション向けに2月中に開始する「IPレボリューション」(ソフトバンクネットワークスの100%子会社)、データセンターの「グローバルセンター ジャパン」(38%保有)、ストレージサービスの「Xdrive Japan」(ソフトバンク・ブロードメディアが55%、ソフトバンク・テクノロジー・ホールディングスが5%保有)、有料ブロードバンド・コンテンツ・サービスを手がけ350万人のユーザーを抱える韓国の「Korea.com」(スルーネットの100%子会社)などがあり、ここにCiscoとの連携も加わるわけだ。

 また、説明会の中で孫社長は「Net2Phoneジャパン」を設立することについて口を滑らせてしまった。あわてて「検討してはいるが正式な調印や契約はまだ」と述べた。Net2Phoneは、VoIP技術を使ったインターネット電話の最大手。ソフトバンクは米国Net2Phoneに対して米国SOFTBANK Technology Ventures IV(STVIV)を通じて出資している。Net2Phoneは1999年7月29日にNadaqに上場しており、上場直後のSTVIVの出資比率は関係者を含めて19.3%あった。

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(2001/1/25)

[Reported by taoyaka@po.apro.co.jp]


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