【イベントレポート】

ITベンチャー約80社がプレゼンテーション~「FORESITE21 SHOWCASE」開催

■URL
http://www.foresite21.com/

 株式会社翔泳社主催によるITベンチャーと投資・ビジネスパートナーとのリンケージ・イベント「FORESITE21 SHOWCASE」が青山ダイヤモンドホールで開催されている。ITベンチャー企業と投資家の交流およびIT関連企業の相互の技術提携などの促進を目的に開催されているもので、会場では、国内外のITベンチャー約80社によるプレゼンテーションが行なわれている。会期は16日までで、入場料は3.000円。

 本イベントでは日本から60社、韓国から15社、米国から4社のITベンチャー企業が参加している。それら企業は、技術を売り込むほか、ベンチャーキャピタルなどの投資サイドとの交流により、これまでITベンチャーの抱えていた、技術連携やストラテジックパートナーの募集などの問題を解決しようと奮闘していた。出展しているベンチャーはインターネットコンテンツプロバイダー、ASPなど今が「旬」の分野がほとんど。本記事では、いくつか気になったベンチャー企業を紹介する。


 まずは、インターネット電話を通じて消費者と直接コミュニケーションできる「ネットdeしゃべる」をASPで提供する株式会社アップカミング。「ネットdeしゃべる」は例えばネットショッピングでの活用が想定される。ユーザーの「この商品とこの商品はどう違う?」「オススメの商品は何?」などのちょっとした質問にインターネット電話を通してオペレーターがリアルタイムに答えるほか、オペレーター側でユーザーが欲しい情報が載っているページを共有することも可能となる。つまりサイト閲覧者に話しかけたり、ナビゲートしたりできるので、ユーザーとのコミュニケーションが取れ、効率的なサイト運営ができるというわけだ。アップカミングでは、「消費者とサイト運営者を近づけるサイトづくりをサポートしていきたい」としている。

 このほか、コミュニケーションサービス系で注目したいのが、株式会社コンピュータリブが提供する写真コミュニケーションサービス「Mr.Cheese」だ。「Mr.Cheese」の最大の特徴は同社が開発した「キーワードリンク機能」にある。ユーザーは写真を登録する際、その写真のキーワードを10個まで記入することができる。例えば、赤い花の写真を登録する際、「赤」「花」「公演」といったキーワードを入力したとする。すると、キーワードの部分がハイパーリンクとなっているので、クリックすると同じキーワードを入力した他人の写真を見ることができる。つまり、キーワードを通じて、写真をリンクしていき、「人と人とが繋がっていく」しくみだ。コンピュータリブでは、「Mr.Cheese」を美容院やアパレルメーカーなどのサイトといったビジネス用から卒業アルバムなどの学校用、個人の写真集や料理レシピなどの個人・家庭用といった使用例を想定している。2001年末までに会員数6万人を目指していく。


 世界経済の減速により、ITベンチャーを取り巻く環境は大きく変化し、評価も揺らいできている。本イベントは起業家・資金提供者・技術者が、それぞれの表現の場を持ち、情報交流を行なうことで、こうした閉塞感や停滞感を突破するのではという期待感を抱かせるものだといえよう。

(2001/2/15)

[Reported by moriyama@impress.co.jp]


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