【イベントレポート】

国内外のITベンチャーが新技術事業プランを発表~「DEMO Japan」開催

■URL
http://www.idg.co.jp/expo/demo/

 国内外のITベンチャーが新技術・事業プランを発表するイベント「DEMO Japan」が東京・明治記念館で28日までの2日間にわたり開催されている。「DEMO」は次世代のIT産業を担う先端技術・製品動向の発表の場として米国では10年の歴史があるが、日本での開催は初となる。本イベントには「DEMO Japan」実行委員会によって審査・選別された日本、韓国、中国、米国のITベンチャー34社(プレゼンテーションは21社)が参加した。

Google・Larry Page氏

 初日の基調講演には、GoogleのCEO・Larry Page氏が登場。「Google社の最新のワイヤレス技術戦略と世界戦略」をテーマに、iモード向け検索サービスの開始などを発表した。Page氏は、今後の展開について「1万人以上のユーザーを持っているデバイスに対応していく」と述べ、PDAや携帯電話向けサービスを積極的に行なっていく姿勢を示した。

デモの様子

 また、スーパーセッションとして、Generic MediaのCEO・Peter Hoddie氏が「ブロードバンドが開く次世代動画配信技術の展開」をテーマに講演、ストリーミングメディアのフレームワーク「Generic Media Publishing Service」を日本で初披露した。「Generic Media Publishing Service」は、ストリーミングコンテンツを、Windows Media Player、QuickTime、RealPlayer、MP3など、エンドユーザーがインストール済みのソフトに対応したフォーマットに、さまざまな帯域幅で変換できるものだ。つまりあらゆる端末に対し最適な方法に変換して動画を送ることができるというわけだ。これまで動画配信では、多くの方式が混在していたため、配信業者は、それぞれのフォーマットに対応したコンテンツを揃えておかなければならなかった。また、利用者も必要なソフトをダウンロードする必要があるなどといったことが、両者を悩ませ、ストリーミングの普及にもブレーキをかけていた。この技術を用いることで利用者はフォーマットを気にせず、コンテンツを楽しめ、コンテンツ事業者はさまざまなソフトに対応したコンテンツを1つのソースファイルから配信でき負担が軽くなるなど双方に利点が生まれ、ストリーミングの普及に弾みがつくと思われる。Hoddie氏は、「人がフォーマットに合わせるのではなく、フォーマットが人に合わせるサービスを提供していきたい」と語り、メディアの使いまわしが可能になることでストリーミング市場の成長が生まれると期待感を示した。

 このほか、会場ではITベンチャー各社によるデモンストレーションブースが設置されている。いくつか興味深い企業があったので紹介する。まず、注目したのは、マトリックス技術を使用した検索エンジンを提供する株式会社イーストサイトだ。これまでのサーチエンジンでは、サイトの中身は実際に移動しない限り分からなかったが、マトリックスサーチエンジンは、あらかじめそのホームページに何があるのかを見せることによって、簡単に目的の場所へ移動することができるものだ。マス目上の縦軸にサイトの一覧を、横軸に分類項目(目次)の一覧を配置し該当する項目があればその交点に印がつく。印をクリックすることで、ダイレクトに行きたいページにいけるしくみだ。現在、イーストサイトでは、この技術を用いたデモサイト「Enta J-POP」を開設中だ。サイトではまず,アーティストの一覧が出て、その中の1人をクリックするとマトリックス画面に移動する。縦軸にはアーティストの公式サイトおよびファンサイトの一覧がならび、横軸の項目には、アーティストのプロフィールやスケジュール今まで出したCDなどが並ぶ。そしてその交点をクリックすることで該当ページに移行できる。この技術を用いることで、必要な情報にたどりつくまでの時間が短縮されるため、イーストサイトでは、通信費がかさむ携帯電話やPDA機器に対して特に有効になるだろうとしている。

 このほか、ストリーミンググリーティングカード「Loveletter」を事業化しようとしているコンバート・アルファ・ネットにも注目した。これまでのグリーティングカードというと、デザインが決められているテンプレートに名前やコメントを付けるだけだった。コンバート・アルファ・ネットでは、独自の動画やBGMをグリーティングカードに添付することで独自性を出そうとしている。例えば映画の試写会のチケットを贈る際に、映画のプロモーションビデオとBGMがついたビデオメールを送ることが想定されるという。送り主の遊び心を届けるという点で楽しめそうだ。

 また、懸賞サイトとしては後発になるが、ライブレボリューションが提供する先着順無料プレゼントサイト「先着ネット」も面白そうだ。企業側の「プレゼントやサンプルを用いてプロモーションリサーチをしたい」というニーズとユーザー側の「インターネットで得したい」というニーズを“先着”というキーワードのもとマッチングするサービスだ。先着順で当選が決まるのはもちろんのこと、100番ごとに該当する人が当選するといった「中着」や締切からさかのぼって100人まで当選するといった「後着」といった機能も提供する。また、メールにより先着プレゼント情報をテレビ番組欄のようにまとめた「デイリー♪先着ニュース」も配信する。サイトのオープンは3月中旬を予定。

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(2001/2/27)

[Reported by moriyama@impress.co.jp]


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