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インターキュー(interQ)は27日、4月1日付けで「グローバルメディアオンライン株式会社(GMO)」に社名を変更すると発表した。これまで同社に対して抱かれていた“ISP”というイメージを払拭し、総合的なインターネットインフラ企業としてアピールする。
同社はもともと、ダイヤルQ2を利用したISPとして1995年にサービスを開始したが、その後、事業領域を拡大。現在では、インターネットアクセス、レンタルサーバー、ドメイン登録という3分野の事業を同社本体で展開するほか、まぐクリックやフリーエムエルドットコムなどの子会社を通じてメールに特化した広告メディア事業も展開している。その結果、2000年第4四半期の売上比率では、アクセス系事業は4割程度を占めるに過ぎなくなった。ダイヤルQ2による「interQ ORIGINAL」や会員制の「interQ MEMBERS」は現在でも継続しており、アクセス系事業の売上額自体は伸びているものの、サーバー系およびドメイン系の事業がそれ以上に急伸したためだ。
新社名の「メディア」はインターネットによる広告メディア事業を、「オンライン」はアクセス系、サーバー系、ドメイン系のオンライン事業を表わしており、これらを世界的にも展開していくという意味で「グローバル」を冠したとしている。
なお、同社の事業はこれまで国内に限られており、新gTLD「.info」ドメインを推進するレジストラの国際団体「Afilias」へ参加しているのが唯一の国際展開だった。今後は、ドメイン系、広告メディア系の事業も含めて海外への展開を進める方針だ。
「interQ」ブランドで提供されているアクセス系サービスについては、混乱を避けるため、直ちに名称を変更するわけではないという。今後、アクセス系サービスについても内容を強化する予定があるとしており、そのタイミングで名称変更を検討する考えだ。現在アクセス系サービスでメインとなっている個人ユーザー向けに加え、レンタルサーバーと組み合わせて提供する、企業向けのブロードバンドアクセスサービスも新たに開始したいとしている。
インターキューでは同日、総合ネットインフラ事業を加速するにあたり、レンタルサーバー会社2社の買収計画について発表している。その第1弾として、アイル、ラピッドサイトの2社と株式交換により買収を進めることで基本合意した。3月末をめどに契約を締結する予定で、最終的には2社ともインターキューの100%子会社となる。
サーバー系事業はこれまで、「お名前.comサーバー」「interQ OFFICE」「まるごとサーバー」などのサービス名で、インターキュー本体で提供してきた。2000年12月時点の顧客数は約2万2,000件で、国内ではクレイフィッシュに次ぐ業界第2位のシェアを確保しているという。今回の買収は、グループに吸収する2社の顧客を上乗せすることで、一気に業界第1位の座を奪取するのが狙い。インターキュー、アイル、ラピッドサイト3社の現顧客数を合計するだけでもクレイフィッシュの顧客数と並ぶとしているとしている。さらに1カ月あたりの顧客増加件数も、現在の1,500件から2,500件に伸びると見ている。
なお、買収後もアイル、ラピッドサイトの現サービスについてはそのまま存続される。その一方で、インフラの共用やマーケティング面での協力を進め、サーバー系事業の効率化を図っていくという。
(2001/2/27)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]