【調査結果】

携帯インターネット市場の調査は無意味か?~米eMarketerが疑問を提起

■URL
http://www.emarketer.com/

 米調査会社のeMarketerは28日、携帯インターネット市場の規模などに関する調査結果が、実施した会社によってあまりにも異なるために、調査の意味がないのではないか、とする報告書「eWireless Report」を発表した。この調査では100以上の調査組織やコンサルタント企業の調査結果を基に、現時点で存在しない技術に関する予測を分析している。

 eMarketerが数字に疑問があるとする調査結果の例は以下の通り。

■携帯インターネットの利用者数
 ResearchPortalの予測では2000年に9,500万人で、そのうち80%がアジア太平洋、北米地域の利用者だが、Ovumは2005年にはこれが全世界で4億8,400万人に増えると予測している。

■モバイルコマース
 Jupiterは2005年のモバイルコマースによる売り上げが222億ドルと予測、その内訳は108億ドルがショッピング、80億ドルが有料コンテンツ、33億ドルが広告からなる、としている。

■モバイルファイナンス
 Celent Communicationsは2000年現在モバイル金融サービスの利用者数は1,000万人だが、2004年には利用者数が1億5,000万人になると予測。それに対してARC Groupはモバイルバンキングの利用者数が2004年には3億3,100万人に達するとしている。

■携帯への広告
 2000年に携帯への広告に費やされた金額は1,300万ドルだったが、これが2005年には164億ドルになると予測されている。

 この報告書にはこのほかにも北米、欧州、日本、南米市場に関する携帯電話の調査結果も含まれている。
 こうした調査についてeMarketerの携帯アナリストPaul Mulligan氏は「我々はかつてインターネット利用者数に関する予測を疑わしい目で見たことがあったが、少なくともそうした予測はその時点におけるインターネット利用者数に基づいてはじき出されていた。今、我々は存在すらしない技術(例えば第三世代携帯電話サービスなど)に関する利用者数を手にしている。それだったら2007年に車輪のない車を運転している人の数を教えてくれたって良いだろう」と痛烈に批判した。

(2001/3/1)

[Reported by taiga@scientist.com]


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