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■URL
http://www.jp.ibm.com/event/forum2001/annai.html
日本IBMとパートナー企業130社が一堂に会するイベント「IBMフォーラム2001」が千葉県の幕張メッセで開催されている。4回目となる今年はこれまで過去3回にわたり開催してきた「IBM総合フェア」の内容を一新し、経営や事業およびIT関連サービス事業に携わるパートナーに焦点を当てている。今回は、「次世代e-ビジネス」をテーマに掲げ、eビジネス・ソリューションや導入・コンサルティング事例の紹介のほか、日本IBMが研究・開発した最新成果の展示も行なわれている。会期は9日までの3日間。
日本IBMの研究開発への取組みや最新テクノロジーを紹介するコーナーでは、「次世代のe-ビジネスを支えるテクノロジー」をテーマに、まだ製品化の目途はたってはいないが、面白い技術が紹介されている。例えば、Linux搭載の腕時計型デバイス「Linuxウォッチ」が展示されている。大きさは56mm×48mm×12mmで重さは44グラム。OSはPCで一般的に使われているものと同じ「Linuxバーション2.2」を採用している。なおBluetoothにより。他のコンピューターや携帯電話とデータ・音声の通信ができるという。このほか同じくBluetooth技術を用いたものとして、ユーザーに合わせてメッセージが変わる電子ポスター「アクティブポスター」が展示されている。Bluetoothなどを用いることで、その人の属性を判断し、広告の内容が変わるしくみだ。例えば、町で女性が歩いていたとすると、その属性を受信し、化粧品の広告が掲示板に流れたりと状況・場所・時間によって変化するインタラクティブ性に富んだシステムとなっている。
また、声と顔による感情表現を備えた音声対話型ロボット「Pong」も展示されている。感情を含んだ音声の合成やさまざまな表情の生成ができるもので、会場では「クイズ形式」のデモが行なわれており、来場者の注目を集めていた。このロボットはインターネット端末としても利用でき、Web文書の検索と読み上げや文書の内容に関する質問応答が可能だという。また、音声合成は韻律などの個人性も反映できるという。
このほか、会場には日本IBMが行なっている社会貢献事業の一端も紹介されている。特に、学校・家庭・地域をイントラネットで結び「Teaching・Learning・Communication」の3つの視点から開かれた学校作りを行なうことを支援する教育支援システムが興味深い。会場では、小学校と家庭、公民館などをネットワークで結ぶ教育プロジェクトが紹介されている。この教育プロジェクトは、今秋より東京都三鷹市で始まるもので、日本IBMが機器などを三鷹市内の4つの公立小学校と公民館などに提供するプロジェクトだ。ビデオで運動会や授業の模様を録画し家庭に配信することで遠隔授業参観ができたり、先生が保護者や子供から悩みなどをメールで受け取ることもできるという。日本IBMでは、現在各学校にサンプルを提供している段階で2学期からの開始を目指す。また、こういったプロジェクトは単なる“箱もの”になりがちだが、現場の教師の声を吸い上げることで「スクールライフ全体のIT化に貢献していきたい」としている。
(2001/3/7)
[Reported by moriyama@impress.co.jp]