【業界動向】

米Distributed Science、P2P分散コンピューティングのソースを公開

■URL
http://www.distributedscience.com./press/opensource.pdf

 米Distributed Scienceは12日、同社が開発した分散コンピューティングのためのP2PインフラをBSDオープンソースライセンスにより5月1日に公開することを明らかにした。Distributed Scienceは、インターネットにつながる数多くのコンピューターが使用されていない時間を利用し、それらの計算能力をひとつに統合することによってスーパーコンピューター並の計算能力を持つ仮想のコンピューターを作り上げ、その能力を有償で企業に提供するビジネスを展開している。今回公開されることになったソフトウェアは、そうした大規模なP2Pネットワークを構築するための基盤となるものである。

 P2Pによる分散コンピューティングを提供する企業は数社有るが、最近そのうちの一社、Popular Powerがサービスを停止し、類似ビジネスが今後成功するかどうかが現在議論の的となっている。

 Distributed ScienceのCTO、Steve Porter氏は「我々は分散コンピューティング、ファイルシェアリング、その他P2Pアプリケーションのための基盤となるような、そして非常に移植性の高いインフラこそが、この伸びつつある市場の成功のための失われた鍵であると考えている。われわれはすべての関心のあるグループや顧客のためのウィン-ウィンな関係を創り上げたいと思っている」と今回の公開に踏み切った理由を説明した。

 またソースコードを公開したのちDistributed Scienceがどのような方法で利益の上がるビジネスを行なっていくかについて、Distributed Scienceのマーケティング担当副社長Armin Lenz氏は「我々は市場すべてに実行可能な状態でこのテクノロジーを広める。その中で我々は経験を生かし、それを改良し実用化することによって利用者に多大のコスト削減を実現し、おびただしい数のP2Pサービスの標準的なプラットフォームを築き上げたいと考えている」とコメントした。

(2001/4/13)

[Reported by taiga@scientist.com]


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