【新サービス】

“友人”を目指すインターネットバンク、ソニー銀行が6月11日に業務開始

■URL
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200105/01-0510B/ (リリース)
http://sonybank.net/ (ソニーバンク 現在は準備中)
http://moneykit.net/ (マネーキット 現在は準備中)

左からソニー銀行の伊庭会長、石井社長
 ソニー銀行株式会社(愛称・ソニーバンク)は、6月11日より銀行業務を開始すると発表した。異業種企業による初のフルサービス型インターネット銀行であるソニーバンクは、わかりやすさ・使いやすさ・ソニーらしさを武器に、個人にとって信頼できる友人になれる金融機関を目指すという。

 ソニーバンクは個人向けのサービスがメインのインターネット銀行。企業理念に「フェアである」「個人一人ひとりのためのサービスを提供する」といった項目を掲げ、「役員がほとんど30~40代で、在来銀行に比べると非常に若いスタッフが張り切っている」(ソニー銀行取締役会長・伊庭保氏)、インターネットで資産の運用・管理を行なえる専用ツール「MONEYKit」(マネーキット)を利用したサービスを行なうなど、これまでの銀行にはなかった特色を打ち出している銀行だ。
 ソニー銀行・代表取締役社長の石井茂氏は、「これまでの銀行はお金を預ける金庫的な役割で、サービス自体も銀行やお上の都合で行なう面が強かった。ソニーバンクでは、個人にとって信頼できる友人としての銀行を目指す」と述べ、従来の銀行との違いを表明した。特に「フェアである」点を重視し、市場動向に基づいた金利・価格の設定や、ディスクロージャーを積極的に行なっていく。

MONEYKitの“通帳”画面
 開業時の取り扱い商品は普通預金(予定金利0.05%、以下同)、定期預金(0.5%)、カードローン(6.5%)、投資信託の4種。追って外貨預金、目的別ローン、住宅ローンなどの商品を追加していく。Webサイトは「ソニーバンク」と「MONEYKit」があり、「ソニーバンク」がソニー銀行の会社概要やサービスを紹介する情報サイトで、「MONEYKit」が実際の取引に使用するサイトとなる。口座開設はWebサイトから入力した情報を印刷して署名した用紙を郵送する方法で、キャッシュカードのみで、通帳は発行されない。口座維持手数料は無料で、現在のところ有料化の予定はない。これは「現状ではユーザーが有料でお金を預けるメリットは少ない」(石井氏)ためという。
 入出金は三井住友銀行のATM、コンビニエンスストア「am/pm」に設置のATM「@BANK」(九州地区を除く)で利用でき、2002年には郵便貯金のATMにも対応する予定だ。2001年3月末で利用可能なATMは、全国で約7,600台。ATMの利用手数料は2001年12月31日までは無料で、その後は取引状況によって1回105円(引き出しの場合)となる。

 オンラインで利用する「MONEYKit」は、Webブラウザー上で利用する専用ツールで、WebブラウザーがFlashとJava Scriptに対応していれば、Webサイトからログインするだけで利用できる。画面上には「振込み」「定期預金」といったアイコンが並び、希望の機能のアイコンを画面中央にドラッグ&ドロップして利用する仕組みだ。「振込み」などよく使う機能は「COMMONKit」、投資信託などの金融商品取引は「FUNDKit」、資産形成の機能は「TOOLKit」などカテゴリーを分け、わかりやすい構成になっている。

 目玉機能である「MONEYKitアドバイスエンジン」は、ユーザーの将来設計や目的、現在の資産状況などを入力し、現在のポートフォリオを判断・検証するシミュレーションツールだ。世界的な投資銀行であるJPモルガンの「Morgan Asset Projection System」(MAPS)をベースに、資産運用の専門家によるノウハウをシステム化し、簡単に高度な資産運用アドバイスを得られる機能で、7月下旬から利用可能となる。また育児・結婚など重要なライフイベントを設定するだけで、将来の貯蓄高や支出入バランスが予想できる「MoneyView」や、生活での支出管理ができる「支出チェック」など、使いやすい機能をそろえている。さらに「ポストペット」のキャラクターを用いて、資産配分の知識を身に付けたり、目的達成を応援するアドイン機能「MONEYKit-Postpet」も、10月に追加する予定だ。
 また「MONEYKit」を用いた資産運用のための金融商品として、「MONEYKitファンド・シリーズ」という投資信託を提供する。安定した収益を確保できる「MONEYKitベーシック」など、リスク・リターンに応じて3段階の商品を提供し、資産運用のサポートを図る。

 ソニーバンクでは有人店舗はまったく予定しておらず、「インターネットでどこまでできるかを追求する」(伊庭氏)のがテーマの一つでもある。またソニーグループの他サービスとの連携については「保障や保険といった分野がまず関係してくると思う。マネックス証券については、これから詰めていく段階」(石井氏)との回答だった。小額決済機能の提供や、機能を限定してのモバイル対応も検討中という。
 ソニー銀行では3年後に40万口座・預金量5,000億円、5年後には60万口座・預金量1兆円を目指す。

MONEYKitから発想した投資信託「MONEYKitファンド」 ポストペットのキャラクターが資産運用を応援! AirBoardでのサービス提供も予定

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(2001/5/10)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


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