【インタビュー】

ネットマーケティングのデファクトスタンダードを目指す~platform4e.com

■URL
http://www.platform4e.com/

 eビジネスにおいて、ネット上でのマーケティング調査やネット広告の広告効果の測定に対するニーズが高まっている。そんな中、独自のネットマーケティング支援サービスを提供しているのがネットベンチャーの株式会社プラットフォーム・フォー・イー・ドットコムだ。 

 昨年12月より開始した「ONE TO ONE ZOOM TECHNOLOGY」サービスは、ユーザー一人一人にIDを振り分けることによって、サイトの中でどのページを見たか、商品を買ったかどうか、などのユーザーの行動を細かく分析できるシステムだ。「ONE TO ONE ZOOM TECHNOLOGY」はASPサービスで提供されるのも特徴。ユーザーがバナーやURLをクリックすると一端同サービスのサーバーを経由して、見たいサイトに接続する。サーバーでは取得した情報をデータベースに蓄積し、リアルタイムで広告効果測定等が分析できる。「ONE TO ONE ZOOM TECHNOLOGY」サービスには、メールニュースに出稿した広告やメールの効果を調べる「Zoom 4 MailNews」、バナー広告の効果を調べる「Zoom 4 Banner」、アンケート回収代行サービス「Zoom 4SURVEY」(現在リニューアル中)の3タイプがある。価格は基本料金が月額1万円で、その後はアクセス数に応じて料金が加算される。広告費用に効果測定料として10%追加で利用するパターンなどもある。

 「一般的なポストクリック(クリック後のユーザーの行動)分析だと、HTMLにタグを埋め込むとか、数百万円かけてシステムを作りこむ必要がありました。しかし『ONE TO ONE ZOOM TECHNOLOGY』では顧客にシステム的な設定変更を一切させません。eビジネスの世界ではなかなかマーケッターの方々に喜ばれるツールが存在しない現状ですが、弊社では絶対に設定変更はさせない。それを満たせないテクノロジーをうちでは提供しないということにしています。また、Cookie情報に頼らずにトラフィック情報を調べられるので、端末を選ばない。Cookieだとモバイルからのアクセスをとれませんが、現在日本ではiモードが爆発的なブームであることを考えると携帯端末からのデータをとらないのはナンセンスです。顧客に負担をかけないこと、端末を選ばないこと。この2つが弊社サービスの大きなメリットだと思います」(株式会社プラットフォーム・フォー・イー・ドットコム 代表取締役 今矢賢一氏)


株式会社プラットフォーム・フォー・イー・ドットコム 代表取締役 今矢賢一氏。弱冠25歳という若さだが、関西生まれのオーストラリア育ちというバックボーンのためか、独立心旺盛で頼もしい。

 これまでのネットマーケティングだと、PVやどこのバナー広告から訪れたかまでは比較的容易に調べられたが、サイト内での行動までは追うには、ある程度のコストがかかった。しかし「ONE TO ONE ZOOM TECHNOLOGY」サービスを導入し、ユーザーの行動履歴を熟知することによって、同じ予算でもより費用効果の高い広告展開が可能になるという。例えば、ある金融企業がいろんな媒体に出稿した場合、どの媒体からアクセスが来て、実際にサービスを申し込んできたのはこういった人達だといった細かいデータを把握することで、次回からはこのターゲットに向けて広告を出せばいいといったメディアプランニングができるわけだ。また、メディアプラニング以外の目的で「ONE TO ONE ZOOM TECHNOLOGY」サービスを使うケースで多いのが、成功報酬などのケースだという。

 「最近ネットビジネスの世界では異業種がコンテンツ提携をするサービスが増えています。例えばある転職サイトが女性向けサイトに転職情報などのコンテンツを提供するといったような場合です。こういったケースでは、企業同士が成功報酬といった形をとっていることが多い。その時に第三者である我々のツールを使って誘導率や加入率を測定すれば、フェアなビジネスができますよね。そういった意味で、利用いただける場合が多いです」(今矢氏)

  プラットフォーム・フォー・イー・ドットコムでは今後、ネットマーケティング支援にとどまらず、コンサルティングの部分までのトータル的なサービスの提供を予定している。

 「広告だけでは効果は出ないと思うんです。サイトのナビゲーションも必要でしょう。広告が良くても行ってみたサイトがしょぼかったら、ユーザーはそっぽを向きます。うちではポストクリックの結果を見ながら『これは〇〇病ですね』と、カルテのようにサイトを見て、処方箋を渡すようなサービスをしたい。サイトのここの部分にユーザーが集まっているので、このナビゲーションはこうした方がいいとか、ここのリンクは斬ったほうがいいとか。お店もそうじゃないですか? 秋の催しものをする時は会場は何階に設定しましょうとか、このブランド売れないのでやめましょうとか。今日は肉を特売するので正面に置こうとか。やはり『人』あっての商売ですから、おもてなしの心がないと購買にはつながらないと思います。カタログ的なサイトでパーミッションを強引にとって、データを取るだけとって、メールを送っても誰も反応しませんよ。まだまだ具体的な成功の法則が足りないので、もう少し実績を積みながら、これから序々にやっていこうと考えています」(今矢氏)

 「ONE TO ONE ZOOM TECHNOLOGY」は、すでに大手代理店が採用することなども決定しているという。今後eマーケットのポジションの中で、広告測定ツールとしてのデファクトスタンダードを目指し、よりインターフェイスの使い勝手を高めていく。

(2001/6/5)

[Reported by tanimoto@impress.co.jp]


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