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■URL
http://www.sbforums.co.jp/ni2001/
「2001:インターネットの挑戦」と題し基調講演を行なった村井純教授 |
「NetWorld+Interop 2000 Tokyo」初日には、慶應義塾大学環境情報学部・村井純教授が「2001:インターネットの挑戦」と題し基調講演を行なった。
講演では、IPv4でのIPアドレス空間の枯渇の現状を報告、IPv6への転換は真剣な問題だとした。そのうえで、「インターネットの未来への挑戦はIPアドレスだけではない」とも述べ、「インターネットデジタルコミュニケーションの基盤が整備されたとき、どういう“モノ”が必要か考えている」と語り、会場に設置されているネットワーク機器ベンダーなどの共同展示による企画コーナー「IPv6 ShowCase」の展示品を例にあげながら、“IPv6だからこそ実現できるインターネット生活環境”を紹介した。
また、今後のインターネット社会においてやるべきことは「山積み」とし、「電話線の上にあるインターネットの時代は終わった。電話線をどう開放するかで議論しているようではダメ」と語った。また、サイバー空間やバーチャルワールドをインターネットに結び付けて考えがちだったが、現実の空間にインターネットがどう役に立つのかという「実空間インターネット」が今後、求められると語った。さらに、コンピュータをつなぐインターネットからすべてをつなぐインターネットへと移行し、コンピュータユーザーのためのインターネットから、みんなをつなぐインターネットへと変貌しつつある今、「インターネットの役割と守備範囲は大きく変わっていくが、インターネットは人と社会に貢献しなくてはいけない」との持論を展開した。
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賑わう「IPv6 ShowCase」 |
なお、「IPv6 ShowCase」では、松下電送システムのIPv6対応インターネットFAXや、インターネットノード株式会社による温度計「HotNode」、東芝のネット冷蔵庫、インターネットカーなどさまざまなIPv6対応製品が展示されている。
その中でも注目は、IPv6に対応した温度計「HotNode」だ。これは温度センサーを内蔵したタイプのIPv6マイクロノード(マイクロノード:特定のアプリケーションに特化したインターネットアプライアンス)だ。100台以上をShownetに接続し、会場でデモンストレーションを行なっている。「HotNode」は自律的な温度データ収集・機能を持っており、「NetWorld+Interop 2000 Tokyo」公式ホームページでは、会場内の温度分布を見ることができる。なお、「HotNode」は単なるIPセンサーというだけでなく、Webサーバー機能やFTPサーバー機能などの各種サーバー機能なども備えている。さらにインターネットノード社では、生体センサーを内蔵し、無侵襲で生体情報を取得するマイクロノード「BioNode」も展示している。会場では、心拍数や血圧が測定できる椅子が展示されている。同システムを利用することで、心拍数や血圧などの生体情報を取得し、1次解析したデータを医者に送り、データをもとに医者が健康管理サービスを行なうなど、医療分野での利用が期待される。
Ipv6対応インターネットFAX
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IPv6対応温度計「HotNode」
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インターネット冷蔵庫パネル
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「IPv6 ShowCase」コーナーには、多くの来場者が訪れ、展示各社によるプレゼンテーションでは、立ち見がでるほどの盛況ぶりだった。このほか、ネットワーク機器メーカーのブースでも、IPv6対応製品が多く展示されており、IPv6への移行に向けた動きが活発化していることを伺わせた。
(2001/6/7)
[Reported by moriyama@impress.co.jp]