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http://interop.sbforums.co.jp/
7日の午後に開催されたコンファレンス「ブロードバンドアクセスと高速無線アクセス技術」の様子をお伝えする。ルートの真野浩氏、ソニーの山田康弘氏、ノキア・ジャパンの中川義克氏がそれぞれ自社の取り組み事例を紹介。東京めたりっく通信の小林博昭氏が司会を務め、無線アクセスについてのディスカッションが行なわれた。
コンファレンスは、小林氏の到着が遅れるというハプニングでスタートした。予定時刻の15分後、全員が揃って開演すると、その冒頭で小林氏は「新聞などで経営危機などと報じられましたが、何とか苦境をしのいでおりまして、今もその会議をやっていました」と遅れてしまった理由を報告。しばし、同社の苦しい状況を説明した。
東京めたりっくはDSL専門の通信事業者だが、小林氏は「無線アクセスというスキームも十分あり得る」と評価する。また、アクセス回線以外での利用についても、「光ファイバーも地方では入手が難しく、NTTも簡単には貸し出さない。それをクリアするために、無線などNTT以外の回線がいる」と、その必要性を認める。
次に発言した真野氏は、無線アクセスでブロードバンドが低価格になるというような論調がマスコミでよく見られることについて、「FTTH、CATV、DSL、無線がすべてが統合しないと提供できない」と否定。どの技術が一番いいか?ではなく、適材適所で利用していくことが重要だと指摘する。例えば、無線は固定網としては究極の選択ではないとする一方、ユビキタスな環境を提供するために無線が重要になる。FTTHを無線で補うことではじめて「どこでも、いつでも、誰でもインターネットにつながっている社会」が実現するわけだ。
山田氏は、ソニーが展開しているFWAによる無線通信サービス「bit-drive」を例に、FWAの特徴などについて説明。現在はまだ機器が高価で企業ユースがメインだが、確実に低価格化が進んでおり、いずれコンシューマーにも届くようになるとしている。中川氏は、Bluetoothや無線LAN、携帯電話などが統合したものがこれからの無線アクセスサービスになると述べた。
(2001/6/7)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]