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スミス氏 |
WECAはワイヤレスLAN製品間の相互接続能力を認定するために設立された、国際的な業界団体。1999年に3Com、Lucent、Nokiaなど数社で設立され、IEEE802.11bに適合するワイヤレスLAN規格「Wi-Fi」を設定、2000年3月より「Wi-Fi」規格製品の認定作業を開始した。現在WECAへの参加企業は約80社、認定商品は130点以上にのぼっている。
WECAの副会長であるグレッグ・スミス氏は、「場所を選ばない相互接続性を保証し、どこからでもネットワークにつなげる標準規格がWi-Fi」であるとし、10Base/Tと同等のイーサネット速度を実現した点や、多数のベンダー参入によるコストダウンを、そのメリットとして挙げた。日本では「Wi-Fi」規格製品はメルコ・ソニーなど数社からしか発表されていないが、米国ではダラスなどの空港内にWi-Fi対応のアクセスポイントが設置されるほど、浸透しつつある規格という。
スミス氏は「1999年度はワイヤレスLAN市場は4億ドル規模だったが、2000年度では1兆ドルを超える規模となった。今後数年は同様な成長を遂げると思われる」と、ワイヤレスLAN市場を予測。その背景には、有線でのやりとりが限界となりつつある点、またメーカー間での相互接続性が求められている点などがあると指摘した。日本・アジア市場のワイヤレスLANについてのデータはないが、「今後はこの地域での急成長が予測される」(スミス氏)として、積極的に推進していく方向だ。
また次世代のワイヤレスLAN規格として、5GHz周波数帯域(データレート 54Mbps)への規格制定を推進するほか、現行の2.4GHz帯でデータレートを20Mbps前後まで拡張する計画を発表した。5GHz帯と2.4GHz帯は並行して提供されていくという。なお現在利用している2.4GHz帯では、Bluetoothやコードレス電話などとの間で干渉が生じる問題が指摘されているが、「Bluetoothは今年ようやく商品化が本格的に始まったばかりで、近い将来までは問題が起きる可能性が少ない」(ソニー・ホームネットワークカンパニー 富樫浩氏)と説明。また「BluetoothとワイヤレスLANは相互補完的な関係にある」(富樫氏)として、ワイヤレスLAN・Bluetoothの両業界での共存イニシアチブが進行中だと説明した。
なお「N+I」会場では「WECA/Wi-Fiゾーン」として専用ゾーンを設け、Wi-Fi規格準拠製品の展示やデモを行なっている。
(2001/6/7)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]