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【業界動向】

オムロン、自動車内をIT化するテレマティックス事業で
米Cellportと提携

■URL
http://www.omron.co.jp/
http://www.cellport.co.jp/

 オムロンは18日、テレマティックス事業で米Cellport Systems社と提携したと発表した。10月に合弁会社を設立し、日本およびアジアでテレマティックス事業を展開する。

 テレマティックスとは、自動車内をIT化することで車両ベースの通信サービスを実現するもので、すでに車両運行管理やナビゲーション、盗難防止のセキュリティーサービス、路上救援サービスなどで活用されているという。しかしこれらはそれぞれ独自の方式で運用されており、今後拡大が期待されているコンシューマー向け市場において、普及のネックとなっている。

 これに対し2社では、Cellport Systemsがオープンアーキテクチャーとして推進している携帯電話のハンズフリー車載ユニットを通信プラットフォームに活用。これにオムロンのM2M(Machine to Machine:マシン間のデータ処理/情報通信システム)技術や音声認識技術、センサー技術などを組み合わせ、テレマティックス用のモバイルネットワークゲートウェイ技術を開発。日本やアジアなどで販売しながら、デファクトスタンダードを目指す。

 このゲートウェイ機器により、自動車に搭載された各種センサーやGPSの位置情報などのデータが携帯電話網経由でM2Mセンターに集約され、インターネットを通じてさらに多様なサービスが提供できるようになるという。具体的には、従来の路上救援やセキュリティーなどのほか、走行距離などをもとにしたモバイル車両診断やリモートメンテナンス、モバイルeコマースなどのサービスでの利用を見込んでいる。

Cellport SystemsのPatrick J. Kennedy CEO(写真左)。トヨタ自動車やGMなどがすでに独自方式でテレマティックス事業を展開していることに対して「インターネットを使う場合は、オープンアーキテクチャーのほうが効果的」と普及に自信を見せる。記者発表会の会場では、都内を走行する自動車の状況をモニタリングできるデモも披露された(写真中)。実際に提供されるサービスを想定した架空の損害保険会社のデモ(写真左)。イグニッションの状態やドア/トランクの開閉状況をモニタリングできるほか、盗難に遭った際にはGPSで位置も追跡表示できる。また、走行距離などをもとに車検の更新時期などを案内するサービスも考えられるという。

(2001/6/18)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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