【レポート】

CATV関連の展示会「ケーブルテレビ2001」が開催

■URL
http://www.catv.or.jp/news/catv2001/index.html

会場の様子
 ケーブルテレビ(CATV)関連の総合展示会「ケーブルテレビ2001」が、6月20日に開幕した。
 今年は「IT時代、見て使ってインターネットするケーブルテレビ」がテーマ。会場はハードウェアを中心としたフロアとサプライヤー(コンテンツ事業者)のフロアに大きく分かれており、CATV事業者向けの番組制作ソリューションから、CATV向けのコンテンツ紹介まで、多彩な内容の展示が行なわれている。来場者はCATV関連の事業に携わっている人が多く見受けられ、一般ユーザーは少数のようだ。

 ここではネットワーク関連機器から、目に付いたものを紹介してみよう。まず集合住宅などをターゲットとした“無線LANケーブルモデム”。引き込み工事不要でCATVインターネットサービスを各戸に提供できる機器で、ケーブルモデムと無線LANの親機を一体化させたものが目立つ。古河電気工業の「FITEL Net Wシリーズ」の場合、独自のスクランブル方式などを採用し、近くに他の無線通信サービスがあっても、混信やノイズによる障害が起きない仕様だという。またTDMA方式を採用しており、後から接続したユーザーにも等分した帯域が割り当てられる仕組みだ。同製品は親機が30万円前後、子機は導入台数にもよるが8万円前後の設定で、この展示会から営業活動を開始するという。
 またマスプロは、集合住宅用の製品「WL77CMC」を展示していたほか、一戸建て向けの屋内用の無線LANケーブルモデム「WL77CM」を新製品として出品。コンパクトな筐体で注目を集めていた。他にもミハル通信などで、集合住宅用の無線LANケーブルモデムが出品されていた。

 一方、CATVインターネットの活用として、“IP電話”関連の機器が多数出品されていた。こちらは公衆電話回線(NTT回線)とCATVインターネットの双方に対応しているものと、CATVインターネットのみに対応しているものに大別される。例えば前者の1つである三菱電機の「IP Talk」の場合、初回は公衆回線で相手に電話をかけるが、相手が「IP Talk」のユーザーの場合は、初回の通話でIPアドレスを取得し相手の電話番号とマッチングさせる。以降は相手の電話番号(公衆回線)をダイヤルするだけで、自動的にIP電話で通話できる仕組みだ。後者では、社内内線電話としての用途を前提にしているタイコーの「IPネットフォン」、テレビ電話機能を持たせ、福祉や地域コミュニティでの活用を狙うNECの「IPコミュニケーションBOX」などがある。なお、これらIP電話機器は、CATVインターネットのオプションとして提供されるケースがほとんどで、機器価格や通話料金は提供する局によって違ってくる場合が多い。
 また愛知電子では、CATVを用いたVoIP事業として、「和田山町ケーブルテレビ わくわくネットワーク」を紹介していた。これは兵庫県朝来郡和田山町で、町内の5,500世帯にVoIPケーブルモデムを設置し、CATV番組配信やインターネット接続の提供に加え、IP電話で町民同士の通話を無料にするというサービスだ。現在各家庭への引き込み工事が進行中で、今年の11月より試験サービスを開始、2002年春への正式開局を目指している。これだけの大規模なVoIPサービスは全国も初めてとのことで、今後が注目される。

 「ケーブルテレビ2001」は6月22日まで、東京・池袋サンシャインシティで開催中だ。

古河電工の無線LANケーブルモデム 三菱電機の「IP Talk」 NECの「IPコミュニケーションBOX」。自治体や福祉事業への導入を狙う 和田山町ケーブルテレビの概要図

(2001/6/20)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


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