【調査結果】

巨大旅行サイト「Orbitz」、訪問者は多いが予約は少数 ~調査で判明

■URL
http://www.compete.com/news/press-release_2001-06-21.jsp (リリース)

Orbitzのサイトへ  米大手航空会社5社による設立で話題を呼んだ旅行サイト「Orbitz」が、訪問者は多いがオンライン予約・決済は今ひとつという状況が判明した。これは米国のコンサルティング企業・Compete社の調査によるものだ。

 Orbitzは開始後の1週間で、競合の既存旅行サイト「Travelocity」より30万人も多いユーザーを集めている。また「Travelocity」のユーザーの12%、およびこれも競合の既存旅行サイト「Expedia」のユーザーの9%が、この期間にOrbitzを利用している。これらのユーザーがもしOrbitzに鞍替えしていれば、既存2サイトは週に1,000万ドル以上の損失をこうむっていたという。

 しかし実際は、Orbitzからのオンライン予約状況は芳しくない。Travelocityで訪問ユーザーのうち4.3%が、Expediaでは訪問ユーザーのうち1.9%がオンラインで旅行の予約や決済を行なっているのに比べ、Orbitzではわずか1%未満のユーザーが予約・決済を行なったのみだ。

 Compete社ではこの原因を、Orbitzでは航空券料金などの比較がしにくく、どの航空券が一番安いかといったことが分かりにくい点にあるとしている。実際、Orbitzで航空券の料金検索をしたユーザーの半数以上が、予約をせずにサイトを離れているという結果が出ている。また「Yahoo!」などで無料航空券のプレゼント広告を大量に告知した結果、プレゼントに応募するためのユーザーがサイトに大量に訪れ、結果として予約・決済に結びついていない状況を指摘している。Compete社のアナリスト・Marc Engel氏は「Orbitz開設1週間での予約率の低さは、訪れた人々がプレゼント応募目当てだったことが1つの原因となっている。バナーのプレゼントを見てサイトを訪れた人々は、一般的に重要な顧客にはつながらない」として、アクセス数の多さがサイトでの取り引き数と比例していない原因を指摘している。

 一方、通常の旅行サイトの主要顧客は25~44歳が中心だが、Orbitzは他のサイトよりこの世代からのアクセスが少ない面もある。Orbitzの50%以下に対し、Travelocityは59%、Expediaは56%だ。これに加えて、Orbitzでは45歳以上のアクセスが競合サイトよりも多いが、45歳以上の層が25~44歳層を超える顧客とはなりにくい現状があるという。

 CompeteのCEO・Man Jit Singh氏は「Orbitzは自分たちが遅れてきたゲーム参加者で、顧客獲得には大きなハードルがあることは認識しているはず」として、結果が出るのは数ヶ月後と見ている。

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(2001/6/25)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


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