【ソフトウェア】

匿名サービスの米SafeWeb、新たな検閲回避ソフト「Triangle Boy」を正式発表

■URL
http://www.safeweb.com/

 米SafeWebは26日、同社の「検閲回避サイト」を利用するためのソフトウェア「Triangle Boy 1.0」を正式発表した。

 SafeWebは中国などの共産圏や中東、欧州の一部地域においてインターネットの検閲が行なわれていることから、そうした国々にいる人々でも自由にどのようなサイトでも見られるように、匿名でWebをブラウズできる一種のプロキシーを設営している企業である。検閲されているサイトは国によって異なり、欧米地域ではポルノやテロ支援サイトが含まれていることもあれば、共産圏では自国に不利な情報を提供するCNNやNew York Timesなどの大手ニュースサイトなども含まれている。

 しかし、SafeWebがこうしたソリューションを提供していることは当然ながら検閲している政府に知られるようになったため、各国政府はSafeWebへのアクセスそのものを遮断するようになった。今回発表されたTriangle Boyはアクセス遮断そのものを回避するものであり、P2P技術を使って多くのボランティアの協力を得て政府との“いたちごっこ”に持ち込もうとするものだ。

 検閲が行なわれている国の利用者は、まずブラウザーにTriangle BoyがインストールされているサーバーのIPアドレスを入力する。これらのサーバーはボランティアベースで世界各地に設置されるようにSafeWebが活動を進めている。一度Triangle Boyのサーバーにアクセスすると画面上部に窓が表示され、そこに見たいサイトのURLを入力する。するとTriangle Boyは閲覧要求をSafeWebのサイトに送り、SafeWebが利用者に希望するサイトのコンテンツを送信する。その際、SafeWebはアクセスが遮断されているSafeWebのIPアドレスではなく、最初にアクセスしたTriangle BoyのIPアドレスからコンテンツが送られているように偽装する。その結果、政府からすると利用者はTriangle Boyのサイトを利用しているように見えることになる。Triangle Boyと利用者の間、またSafeWebと利用者の間の通信はそれぞれ128bitで暗号化されているため、自分がどのページを閲覧したのかという情報を外部の人が得ることができない。これらはP2P接続によって実現されたもので、最近まで多くのボランティアによりベータテストが行なわれていた。

 Triangle Boyのソースコードはすべて公開されており、偽のTriangle Boyが出現しないように電子署名と共に配布される。政府や企業の検閲などに反対し、SafeWebのボランティアとして参加したい人は同社のサイトから無料でプログラムをダウンロードすることができる。対応しているプラットフォームはLinuxとWindowsNT/2000である。なお、ボランティアとなるためには固定されたIPアドレスを持っていなければならない。

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(2001/6/27)

[Reported by taiga@scientist.com]


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