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【通信事業】

NTT東西、フレッツ・ADSLの月額料金を250円“だけ”値下げ

■URL
http://www.ntt-east.co.jp/release/0106/010628a.html
http://www.ntt-west.co.jp/news/0106/010628a.html

 NTT東日本と西日本は28日、「フレッツ・ADSL」「フレッツ・ISDN」の月額料金を7月16日より値下げすると発表した。フレッツ・ADSLは250円引き下げられ、電話と共用する場合で3,800円に、共用しない場合で5,450円になる。フレッツ・ISDNは300円引き下げられ、3,300円になる。

 いずれもサービスの値下げについては、4月に発表された「NTTグループ3カ年経営計画」の中ですでに盛り込まれていたもので、それほど目新しいものではない。特にフレッツ・ADSLの値下げついては、Yahoo! BBの価格破壊が発表されたばかりであり、NTT東西がどう対応してくるか注目されたが、「今うちにあれをやれと言われても、それはもうできないです」(NTT東日本の古賀哲夫営業部長)という。同計画で示されていた「3,800円程度」という料金が、そのまま正式に発表される結果となった。NTT東日本では、今後も値下げを検討していくとしながらも、Yahoo! BBの料金を意識しながら何かをするということは考えていないという。

NTT東日本の古賀哲夫営業部長

 28日に東京都内で行なわれたNTT東日本の記者会見では、Yahoo! BBに対してのコメントを求められた古賀哲夫営業部長が、個人的な意見だと前置きした上で、「日本のインターネット全体が普及する上で、(Yahoo! BBのビジネスモデルは)本当にいいんだろうか?」と疑問を投げかけた。すなわち、Yahoo! BBではアクセスラインだけで採算をとるということではなく、その上で提供するコンテンツなどのサービスを含めて利益をあげるという仕組みということで、古賀部長は「極端に言えば、アクセスラインで赤字ということは、“上”のほうで高くとるということ」と指摘。広告主に対してはより高い出稿料金を、コンテンツ事業者に対してがより高いポータル使用料を課さなければ「“上”で黒字は出ない」ため、「コンテンツ事業者が伸びる土壌を消すのではないか」としている。「とりあえずアクセスラインだけ(低料金で提供して多くのユーザーを)獲得しておけば、あとは“上”で(利益をあげる)」というやり方ではなく、「それぞれの所でペイできるぎりぎりの料金」で提供し、ISPやコンテンツを含めトータルで少しでも安くしていく方式のほうが「日本全体のインターネットを伸ばすという上では、正常じゃないか」と述べている。

 さらに、最大8MbpsというYahoo! BBのスペックについては、「私どもはあの方式を持っていないのでなんとも言えないが、確かにAnnex Aでやれば、収容局のごく近いところであれば8Mbpsも出ないことはないと思う。少なくとも収容局の隣では出る」としている。また、7月までに20万件のサービス提供を計画していることについて、「かなりご苦労されるのではないかと思います」と感想を述べた。

 なお、今回の値下げは、フレッツ・ADSLについては収容局内装置の利用率を高く設定して算出した結果、フレッツ・ISDNについては単純に営業費を削った結果により実現したものだという。しかし、「理屈ではそうだが、(NTT東西は)もう身を削ってやらざるをえない状況に追い込まれている」とし、「これが正しい価格か?と言われると、内心、忸怩たる思いはある」としている。

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(2001/6/29)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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