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■URL
http://www.webnoize.com/
http://www.napster.com/
オンライン音楽関連の調査会社米Webnoizeは28日、音響指紋技術を組み込んだ新版のNapsterクライアントをダウンロードしたユーザーは、他のユーザーとほとんど、あるいは全く楽曲ファイルを共有していないとの調査報告を発表した。また、Napsterで利用可能な楽曲数が減少を続けていることで、システムに接続するユーザー数も減っているという。
新版のクライアントを利用しているユーザーの共有ファイル数は平均してわずか1.5曲で、ピークに達した2月の220曲から1%以下に激減した。Napsterが先週末にリリースした新版「Napster 2.0 beta 10.3」では、ユーザーのハードディスクにある楽曲を走査して、各楽曲に固有の音響指紋を作成する。その後他のユーザーと共有できるかどうかを調べるため、この音響指紋をライセンスを受けた楽曲のデータベースと比較するようになっている。
Webnoizeの上級アナリストを務めるMatt Bailey氏は「新クライアントは、Napsterが計画している商用サービスに向けて指紋技術を試験するために使われている」と指摘。さらに「現在のサービスで利用できる楽曲数がさらに減少したことで、消費者が当初は好んだサービスの寿命を縮めている」と分析している。
Napsterで利用可能な楽曲数が減少するにつれ、システムに接続するユーザー数も減っている。27日朝にはシステムに32万人のユーザーが同時接続していたが、ピークに達した2月の157万人に比べて20%以下となった。Bailey氏は「現在、利用可能な楽曲はほとんどなく、ユーザー離れが進んでいる」とコメントした。
なお、現時点では音響指紋技術が組み込まれていない旧版のクライアントも利用できるが、Windows版の旧版で接続すると「裁判所の命令に従うため、間もなく旧版を利用停止にする予定です。新版をダウンロードしてアップグレードしなければいけません」という内容のメッセージが英語で表示される。旧版からの利用を遮断すれば、ユーザー離れにますます拍車がかかることになる。
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(2001/6/29)
[Reported by hiro@nakajima-gumi.net / taiga@scientist.com]