【調査結果】

欧州経済の減速がIT産業に1,500億ドルの損害を与える可能性

■URL
http://www.idc.com/ITOver/press/GOTH070201pr.stm

 米調査会社IDCは2日、欧州経済状況のさらなる悪化により、ここ3年間にわたってIT関連製品やサービスに対する需要が大きな打撃を受ける可能性があることを指摘する報告書を発表した。

 最近の経済データは、西欧において深刻な減速が起こりうることを示しており、米国のテクノロジー産業における減速が欧州に広がる可能性が出てきた。この全世界的な経済の減速は、世界的なIT産業の支出額を2001年から2003年までの間にわたって最大で1,500億ドル減少させる可能性があり、この最悪のシナリオでは欧州からの需要減少の影響は500億ドルに達すると計算される。

 2001年前半の経済予測に基づく計算によると、IDCは今年いっぱい欧州のIT市場は二桁成長するものと予測している。地域の市場が活性化していることから、経済成長のわずかな減速はそれほどIT産業に影響を与えないと考えられてきたからだ。しかしながら欧州のITハードウェアセグメントにおいて支出は明らかに減り始めており、サービスプロバイダーのネットワーク設備に対する需要やPCの売り上げ減などがそのあらわれだ。

 この現状についてIDCのマネージャーStephen Minton氏は「ソフトウェアとサービスは依然として今年成長し続けると期待されている。米国のシナリオに似て、経済減速の最も深刻な影響はハードウェアの需要にのしかかると予想している。歴史的に見てハードウェアの支出は経済全体の状況に大きく影響されやすいものだ」とコメントした。

(2001/7/3)

[Reported by taiga@scientist.com]


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