【調査結果】

企業スパイやハッカー攻撃の増加が暗号業界の売り上げを推進~米調査

■URL
http://www.frost.com/

 ネットワークを通して送信される機密情報の量は増える一方だが、同時に企業に対するサイバースパイ活動やサイバー攻撃も増加している。軍や政府機関、その契約企業などは、データやネットワークを暗号化する機器に著しい投資を行なっているが、その結果として暗号業界が売り上げを伸ばしているとの調査結果をコンサルティング会社の米Frost&Sullivanが明らかにした。

 それによると非常に高い信頼性が求められるネットワークやデータを暗号化するデバイスの売り上げは2000年に1億7,600万ドルだったのが2007年には4億5,760万ドルにまで堅調に増加するものと予測している。

 NSA(米国家安全保障局)やNATOは通信のプライバシーを保つためにネットワークの防衛設備や機器の近代化のための支出を増やし続けている。またネットワークのセキュリティーリスクには複合的な要因があるため、エンドユーザーは複数のレイヤーにまたがるセキュリティーに関心を持ち始めており、軍関係では無線暗号化システムにも関心が持たれている。

 現在の状況に関してFrost&Sullivanの上級アナリストBrooks Lieske氏は「ハッカーはもはやサービスを中止に追いこんだりウィルスを埋め込んだりする活動だけに集中しているわけではない。彼らはもっと気づきにくいが、潜在的にはもっと大きな損害を与える活動、例えばインターネットサイトやコンピューターからメールを読み出したり、機密情報を集めたりする活動も行なっているのだ」と危険性を指摘した。

(2001/7/4)

[Reported by taiga@scientist.com]


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