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http://www.visa.co.jp/
http://www.dccard.co.jp/
Visa Internationalアジア太平洋地域E-Visa担当シニアバイスプレジデントのMark Burbidge氏 |
Visa Internationalは4日、同社が開発したインターネット決済のための新プロトコル「3-Dセキュア」の日本における試験運用をディーシーカードと共同で実施すると発表した。
Visaではかつて、MasterCard Internationalとともにクレジットカードによるインターネット決済のプロトコル「SET(Secure Electronic Transaction)」を策定、普及に努めてきたが、「技術的には優れているものの、使いづらいために広く受け入れられなかった」(Visa Internationalアジア太平洋地域E-Visa担当シニアバイスプレジデントのMark Burbidge氏)。これに対して3-Dセキュアは、「技術的には目新しいものではない」が、SETで普及の障害となっていた消費者の使い勝手の悪さや加盟店側の導入コストなどを改善しているという。
具体的には、SETでは消費者のパソコンにウォレットソフトをインストールする必要があり、対応しているウェブブラウザーも限定されていたが、3-Dセキュアでは必ずしもウォレットソフトをインストールしなくてもよくなった。また、OSやウェブブラウザーの種類にも依存せず、ウェブがブラウジングできる環境であれば、特別なソフトは必要ない。一方、加盟店側のシステムが対応する場合はプラグインソフトを追加するだけでよく、2~3日で設置可能だという。導入コストについても、本サービス時には50ドル以下、できれば無料でプラグインを提供することで加盟店の初期投資を抑えるとしている。
今回の試験運用では、ディーシーカードのインターネットサービス「DC Webサービス」の利用者から約2,000名のモニターを募集。8月から約3カ月間にわたって、3-Dセキュアによるインターネット決済サービスを提供する。東芝ダイレクトPC、ソフマップ、ソースネクストの3社がオンラインショップの開設で協力する。モニターは、専用登録ページから個人情報やパスワードを入力するだけで初期認証が完了し、3-Dセキュアによる決済が利用できるようになるという。
なお、今回の試験運用ではプラットフォームがパソコンに限定されるが、3-Dセキュアでは携帯電話やICカードなどによる取引にも対応できるとしている。日本のほか、アジア太平洋地区だけでもすでに7カ国で13件の試験運用プログラムが進行しており、韓国などでは携帯端末による実験にも取り組む予定だ。Visaでは、3-Dセキュアを「誰でも利用できる技術」(Mark Burbidge氏)として利用の拡大を目指しており、MasterCardとも普及に向けた話し合いを進めているという。来春にも本サービスへ移行する計画だ。
(2001/7/4)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]