【裁判】

米連邦地裁、米Napsterにサービス再開の禁止命令

■URL
http://www.napster.com/pressroom/010711-statement.html
http://www.napster.com/pressroom/pr/010712-drdre.html
http://www.napster.com/pressroom/pr/010712-metallica.html
http://www.Metallica.com/metdotcom/news/2001/july12.html

 オンライン音楽交換サービスの米Napsterが2日にサービスを停止して以来、10日が経つが、いまだサービスは再開されていない。この事態について、同社のHank Barry暫定CEOが11日、米連邦地裁からファイル識別精度が100%に達するまではサービスの再開を禁止すると命じられたことを明らかにした。

 Barry氏は同日、地裁に出廷し、新たに導入したファイル識別技術によってファイル識別と著作権付き楽曲の遮断の有効性が99%に達したとの証拠を提出。地裁判事に対し、ファイル交換サービスの準備は整っていると主張したが、認められなかった。地裁はNapsterシステムを詳細に試験するため、技術専門家を任命している。

 Barry氏は「地裁の決定を遺憾に思う。技術専門家と共同で、できるだけ早くファイル交換サービスを再開する予定だ」と述べている。さらに、今夏遅くに開始予定の新しい有料会員制サービスに向けて前進しているとアピールしている。

 Napsterは地裁の指定期限である6月27日、新しいファイル識別技術を導入。著作権付き楽曲の交換を禁止するという地裁命令を遵守するだけでなく、Napsterサービスで交換される件数に応じてアーティストに著作権使用料を支払うためにも重要な技術だという。

 最初の試験では、著作権付き楽曲の一部が新システムで捉えられなかったという。新システムの基盤となるデータベースの微調整が必要なことを突きとめ、1日にファイル交換サービスを一時停止した。その後の試験で、ほぼ完全なレベルに達したが、ごくわずかな楽曲が不正確な識別情報を持っており、間違って通知されたという。

 Napsterは地裁命令には従うが、第9巡回区連邦控訴裁が2月に下した判断とは矛盾していると訴えている。今後、控訴裁に異議を申し立てる方針だとしている。また、早期のサービス再開に向け、技術専門家との共同作業を進めるとともに、他の選択肢を検討する予定だ。

 なお、Napsterは12日、ファイル識別精度が向上したことで、人気ロックバンドMetallicaおよびDr. Dreとの著作権侵害訴訟で和解が成立したことを明らかにした。和解金など、和解内容の詳細は明らかにされていない。

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(2001/7/13)

[Reported by hiro@nakajima-gumi.net]


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