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「サイトを見るだけでポイント獲得」「今なら500ポイントゲット!」「アンケート回答で100ポイント」といったバナーやメール広告を、インターネットユーザーなら一度は目にしたことがあるだろう。アンケートや会員登録、商品購入などでポイントを与え、貯まると金券や景品と交換できるこうしたサイトは、“オンラインポイントプログラム”と呼ばれ、10万人以上の会員を持つサイトも少なくない。
しかし、お財布の中の割引券やポイントカードが、よく期限切れになって使えなくなってしまうのと同様に、オンラインポイントプログラムに会員登録しても、結局全然貯まらないというのはよくあること。やっと貯まったと思っても1,000円程度にしかならず、これじゃあ……と、アクセスするのを止めてしまった人もいるのではないだろうか。
しかし、ここに来て貯まりやすさやユーザーの便宜を図るポイントプログラムが登場してきた。この特集では、その代表的な存在となりそうな3つのサイトの運営者の皆さんにお話を伺った。果たしてオンラインポイントプログラムは“貯まる・使える”ものになるだろうか?
●“早く貯めるには”を提案する「ネットマイル」
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ネットマイルのトップページ。現在サマーボーナスキャンペーンを開催している
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◆似ているようで全く別モノ、各社のポイントプログラム
まずネットマイルの特色について伺ったところ、意外な言葉が返ってきた。通常ポイントプログラムと呼んでいるものは、実はそれぞれ違う性質のサービスだという。
◆日本製ならではのメリット
内部型プロモーション以外にも、ネットマイルには大きな特徴がある。日本製のポイントプログラムである、という点だ。水野氏によれば、その点もネットマイルの強みの1つだという。
◆“貯まらない、魅力がない”従来のポイントプログラムをひっくり返す
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ネットマイルの水野貴之氏
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いち早くセシールや航空会社とのマイル提携を開始したネットマイルだが、航空会社のマイルとはまだ一方通行の状態だ。「当然、すべて相互交換を目指していますが、これは各社のお客様への考え方にも拠ります。航空会社のマイレージはもともと空席を生かすところから始まっているんで、ネットマイルとは異なる面があるんです。一方、セシールさんの場合は、ユーザーの選択肢を広げるんならそれはマーケットを広げるだろうって考え方をされたわけです。今後もこうした相互交換はアナウンスしていけるでしょう」(水野氏)という。相互交換が進めば、マイルの流通市場的な機能も生まれるわけで、ユーザーとしては今後が期待できるところだろう。なお、ネットマイルの宣伝費は「今のところほとんどかけていません。アフィリエイトによるものと、あと加盟店さんのサイトで告知している部分もある」(水野氏)という。一見派手に告知しているように感じていたので、これは意外な答えだった。抑えるところはぐっと抑え、マイルでの満足感をユーザーにきっちり与える。これがネットマイルらしさといえるのだろう。
●“ロイヤリティ”という差別化で勝負する「ユーマイレージ」
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ユーマイレージのサンプル画面
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◆2年間アプローチし続けて、ようやく日本へ
「ClickRewards」は1998年3月から米国で運営されている、人気の高いポイントプログラムだ。市橋さんがこのプログラムを知り、最初にアプローチしたのが1998年10月だったが、日本でサービスを開始するまでには約3年近くの月日がかかっている。
その「ユーマイレージ」の特色は“ロイヤリティープログラム”という点だ。ロイヤリティーとは“忠誠心”という意味になる。
◆日本の商習慣が最大の障害
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ネットセンティブの市橋典幸氏
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◆提供する商品がマイルの価値を決める
ユーザーから見ると、ポイントプログラムの景品の内容は気になるもの。入ってはみたけど、欲しくないものばかりだとしたらどうだろう?
当初は10社、1年後に20~30社の参加を見込んでいるユーマイレージ。日本にも“差別化ビジネス”が根付くかどうかが注目される。
●ポイントの流通市場を狙う「G.Network」
ポイントプログラムというジャンル下にはいるものの、“ユーザーの行動→ポイント”であるネットマイルやユーマイレージとは全く異なるサービスを予定しているのが「G.Network」(ジー・ポイント・ネットワーク)だ。8月上旬に開始する予定のサービスでは“ポイント交換マーケットプレイス”の機能を提供していくという。その内容について、運営するジー・プラン株式会社の洲崎健代表取締役と、林一浩執行役員に伺った。
◆ポイントプログラムが持つ矛盾から始まった
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ジープランの洲崎健氏
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エクスチェンジはG.Networkを常に介する形で行なわれる。A社の100ポイントが100G-ポイントになり、100G-ポイントがB社の200ポイントになる、という形だ。A社→B社という直接の変換では、順列組み合わせができてしまうからという。またG-ポイントとの交換比率は定期的に見直しを図り、市場にあった比率に持っていくという。
◆企業のスタンスも変わっていく
“退蔵益を減らす”要素があるということは、ポイントのエクスチェンジを行なうことで、企業側が損をする可能性もある。
G.Networkのユーザーはクライアント企業のユーザーであることが前提。そのため、G.Network自体のプロモーションは、各社のサイトやお知らせなどで告知される形が中心となる。「立上げ当初の参加予定となる10社だけでも、会員数はのべ数百万となります。もちろん全員がG.Networkに参加するわけではないですが、半数くらいは期待できるんじゃないかと」(洲崎氏)。ポイントプログラムのさらに上を覆うようなイメージのG.Network、8月上旬の開始が期待される。
●「beenz」の轍は踏まない
さて、各社の特徴や違いはお分かりいただけただろうか。ここに登場した3社は、それぞれ目指す点や機能に違いがあるとはいえ、複数のサイト・店舗での行動(ポイント含む)を、ユーザーに還元するという部分は一致している。そこで思い出すのが、複数のサイトで使えることを売りに登場した……そう、「beenz」だ。オープンポイントプログラムの先駆者的存在として登場したが、日本でのサービス期間はわずか1年足らずに終わった。今回の取材中、このbeenzについて触れてみたところ様々な意見が出ていたが、共通していたのは、店舗が増えなかった点、また景品に魅力が足りなかった点だ。特に景品は参加各店が自社製品から選ぶ形だったため、beenzとしての管理はないに等しかった。3社がそれぞれ口をそろえるように、景品はユーザーがポイントを集めようかという動機になる大切な部分。これをおろそかにしたサービスに成功はなかったということだろう。beenzの失敗を踏まえてなのか、3社とも交換できる景品・ポイント部分で、それぞれ特徴を見せている点は興味深い。
8月に3社のサービスが揃ったら、一度自分の利用している、また眠ったままになっているポイントサービスを確認してみよう。お財布のクレジットカードにチェーン店のポイントカード、航空会社のマイレージカードなど、意外に持っていることに気がつくのでは。そこに毎日行くサイトやよく利用するショッピングサイトを加えて考えてみると、自分に最も有効なポイントプログラムが見つかるのではないだろうか。
最後にクローズド・オープンを含めて、代表的なポイントプログラムをまとめてご紹介しよう。
■AQUTNET
http://www.aqut.net/
アンケートに回答するとNAGYというポイントがもらえ、商品券などとの交換や、プレゼント抽選への参加ができる。
■banners.com
http://www.banners.com/
バナー広告をクリックしてクイズに回答したり、アンケート回答でポイントがもらえる。景品は提携ショッピングサイトでの買い物のほか、スロットに使ってポイントを増やすことも可能。
■Bit Parade
http://www.bitparade.ne.jp/
メール広告クリックや専用ページへのアクセスでBitというポイントがもらえ、貯まったポイントはキャッシュバックできる。
■Chance2mail Action
http://www.chance2mail.com/
広告メール受信やアンケート回答でポイントがもらえる。貯まったポイントは商品券などと交換できる。
■CMメール
http://www.cmsite.co.jp/
Flashアニメーションによる広告を見るとポイントがもらえる。景品は随時更新されているという。
■e-mile.net
http://www.e-milenet.com/
サイトへのログインや商品購入、サービス利用でPマイルというポイントが貯まり、「JALマイレージバンク」のマイルや賞品との交換ができる。
■フルーツメール
http://www.fruitmail.net/
メール広告クリックやアンケート回答でポイントがもらえ、貯まったポイントはキャッシュバックや商品券に交換できる。
■gooリサーチ
http://research.goo.ne.jp/
アンケートに回答するとポイントがもらえ、商品券などと交換できる。ポイント交換は期間が決まっていて、ある時期を超えると失効するのでご用心。
■はいめーる・net
http://www.haimail.net/
広告メールの受信や、広告メールの感想の返信などでポイントがもらえる。景品は現金・商品券のほか「はいめーる」でのメール発信権も。
■iMiネット
http://www.imi.ne.jp/imi/
アンケートに回答でポイントがもらえ、商品券や図書券などに交換できる。近日内にキャッシュバックにも対応。
■ISIZE POINT
http://www.isize.com/point/
「ISIZE」内サービスへの会員登録や投稿でポイントがもらえる。貯めたポイントでプレゼント抽選に参加できる。
■ラッキークリック
http://www.lucky-click.com/
広告クリックやアンケート回答でマイルがもらえ、貯まるとFrancfrancやL.L.Beanなどの雑貨と交換できる。
■エムスタ
http://m-sta.com/
アンケート回答やクイズ回答、ゲーム参加などでポイントが貯まる。現金によるキャッシュバックや映画鑑賞券などと交換できる。
■MyDirectory
http://myd.nttnavi.co.jp/
アンケート回答でポイントが貯まり、商品券との交換や、プレゼント抽選へ参加できる。
■マイポイント
http://www.mypoint.com/
バナークリックによるサイトアクセスや会員登録、製品・サンプルのトライアルでポイントがもらえる。景品は商品券がメイン。
■My Voice
http://www.myvoice.co.jp/voice/
毎月1回の定期アンケートや個別アンケートに回答するとポイントが貯まり、商品券などと交換できる。
■ポイントタウン
http://www.pointmail.co.jp/
メール内広告をクリックするとポイントがもらえる。景品は服飾小物や雑貨が中心。
■クイズGets
http://www.gets9.com/
10秒間のリッチメディア広告「ムービーCM」を見てクイズに答えるとポイントが貯まる。15日間アクセスがない場合は貯めていたポイントが消滅するので注意。
(2001/7/16)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]