【イベントレポート】

「EXPO COMM WIRELESS JAPAN with INTERNET」開催

ドコモ次世代携帯FOMA、年内は国内サービスエリア拡充に注力

■URL
http://www.nttdocomo.co.jp/

来場者で賑わうFOMAコーナー
デモされているテレビ電話機能

 今回の会場で最も広いスペースを使い展示を行なっていたNTTドコモブースでは現在試験運用中の次世代携帯「FOMA」などの展示が行なわれていた。次世代携帯は高速通信機能のみならず海外の通信方式との統一も目指して作られており、世界中どこでも同じ端末で通話を可能にする点が売りのひとつだ。流石にドコモブースでもFOMAコーナーが一番の賑わいをみせていた。

 今回の展示で用意されていた端末は、スタンダードタイプ(FOMA N2001)やデータタイプ(FOMA P2401)など。FOMAでは現在のiモード端末の機能に加え、その高速データ配信機能を活用した「テレビ電話サービス」や「動画配信サービス」が特徴の一つである。展示されていたデータタイプ端末では、実際の通信時と同条件でテレビ電話機能をデモしていたが、表示は滑らかで高画質であった。

この「動画配信機能」はドコモの映像配信サービス「M-stage visual」を用いて提供される。この「M-stage visual」サービスはiモードのようなパケット課金式ではなく、通常通話料金の1.8倍の料金が課金される。現在のドコモの料金だと1分間に約50円程度の料金設定となっているので、FOMAでは通常のメールなどのテキストはパケット通信であるiモードを利用し、大容量通信を必要とする動画通信では「M-stage visual」を利用することになる。このようにユーザー側は二つのサービスを並行して使い分けなければならず煩わしさを感じそうだが、端末側で自動的にiモードと「M-stage visual」は切り替わるようだ。さらにドコモでは技術的にはiモードと「M-stage visual」の統一は可能だとしており、将来的には統一する方向で検討しているという。

 また、ドコモでは「FOMAカード」と呼ばれる数cmのICチップを携帯電話裏面の電池パック裏側にはめ込み、このカードが認識されることにより通話課金が可能になるシステムを採用している。この「FOMAカード」に自分の電話番号が記憶されているので、現在の携帯電話のように端末に記憶された電話番号に課金される方式とは大きく異なる。極端な話、毎日気分で端末を使い分ける事が可能になるということだ。ドコモはいずれ異業者間や海外での端末に対しても、この「FOMAカード」を付けかえるだけで自分の電話番号が使用できることを目指すという。

 次世代携帯移行に関して注目を集めていることの一つに「海外でも使える携帯」機能がある。実際携帯電話各社は、次世代携帯電話規格の世界統一に向けて協議を重ねているが現在のところ世界では、ドコモを含む欧州で採用されている「W-CDMA方式」と、auや北米で採用されている「cdma2000方式」の2種類が主流となっている。しかし、どちらの方式もまだ完全に規格が決定しておらず、現状で世界統一はまだ先の話と言える。ドコモでは、現在東京23区、横浜市及び川崎市の一部で提供しているFOMAサービスエリアを随時拡大していき、年内は国内サービスエリアの充実を図るのみで海外でのサービス提供は考えていない。今後2~3年後を目処に世界各国へのサービス拡大を目指しているようだ。

 iモード登場時には“インターネットを使える携帯”という部分に注目が集まり、また人気を呼んだ訳だが、次世代携帯においては、単なるインターネット対応端末には留まらない存在となりそうだ。

(2001/7/18)

[Reported by otsu-j@impress.co.jp]


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