【金融】

決済に特化したインターネット銀行「イーバンク」が7/23に開業

■URL
http://www.ebank.co.jp/

左からイーバンクの若山副社長、松尾社長、Yahoo!の有馬誠常務
 イーバンク銀行株式会社は、少額決済に特化したネット専業銀行「イーバンク銀行」(以下イーバンク)を7月23日午前9時に開業、同日よりWebサイトから口座開設申込みを受付を開始すると発表した。

 イーバンクは、インターネット上の決済ソリューション提供をメインとするインターネット専業銀行だ。通帳・キャッシュカードは発行せず、入出金はすべて振込み(ATMなどからの直接出金はできない)、預金の付利対象金額は50万円までと、これまでのオンラインバンクとは違った特徴を打ち出している。これは同行が資産運用や融資業務を行なう“フルバンク”ではなく、決済に特化した“ペイメントプロバイダー”を目指しているためだ。イーバンク銀行の代表取締役社長・松尾泰一氏は「これまでオンラインの小額決済は手数料などの問題で普及が遅れていたが、決済手数料を下げることで小額決済を盛り上げ、少しでも経済を活性化させたい」と、業務開始への意気込みを述べている。

 7月23日時点では口座開設申込みを開始し、8月上旬から約50店舗を対象に、イーバンクを使った決済が可能になる。すでに「Yahoo!オークション」の本人確認の際のオフィシャルバンクに決定したことを発表しており、同オークションのBtoC部門である「プレミアムマーチャント」の、ほぼ全店舗で利用できる初の銀行にもなる予定という。またADSLサービス「Yahoo!BB」での支払い手段としても検討中だ。イーバンクの口座所有者間の支払いも可能なほか、法人向けにイーバンクを用いた請求サービスや振替機能なども提供する。また秋からはEメールで送金ができる「ペイパル」サービスへの対応や、携帯電話を利用したサービスにも対応する予定だ。

 口座開設手続きは、Webサイトで必要事項を入力した後、本人確認書類(運転免許証など)を郵送かFAXで送信する。その後イーバンクから電子証明書用のID番号が送付されるので、これを利用して電子証明書をインストールし、暗証番号を設定すると手続きが完了し、イーバンクの利用が可能になる。口座への入金は第一勧業銀行と三井住友銀行(秋からはあさひ銀行も参加)のイーバンク用振込口座から行ない、出金はイーバンク口座からユーザー指定の他行口座へ振り込まれる形だ。口座維持手数料・送金手数料はともに無料で、イーバンク口座への入金手数料は実費負担、出金は一律315円(税込)に設定されている。普通預金と定期預金のサービスも提供し、普通預金はオープニングキャンペーンとして10月末まで0.5%、定期預金は1・3・6ヶ月の3種類があり、それぞれ0.1%の金利を予定している。普通預金は残高50万円までが利息の付く対象となり、定期預金は最高50万円までの設定が可能となっている。

 イーバンクの収益源は法人への決済サービスによる手数料が主体となる。決済手数料の設定は「使い方によってパターンはあるが、既存のクレジットカードマーチャントの半額程度を目指したい。消費者にとっても、手数料・年会費のかかるクレジットカードより、結果的には得だという状況を目指す」(イーバンク副社長・若山健彦氏)としている。同社の目標口座数は3年後に150万口座、5年後で300万口座で、5年後に約5,000億円の売上げ取扱高を見込んでいる。なお競合となるジャパンネットバンクについては、「他社の事業なのですべて把握しているわけではないが、向こうはやはりアセット型(資産運用型)だと思うので、タイプは異なっている」(若山氏)と述べている。ただ、お互いYahoo!のオフィシャルバンクという点では共通しており、それについては「ジャパンネットバンクより大きい数字を取っていきたい」(若山氏)としており、プロモーションなどの出方が注目されるところだ。

イーバンクのトップページ(サンプル) ログイン後の画面(サンプル)

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(2001/7/18)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


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