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米Jupiter Media Metrixは23日、オンライン音楽市場に関する調査報告を発表した。大手レコード会社の後援による「MusicNet」と「PressPlay」が年内にも有料会員制のデジタル音楽配信サービスを開始する予定だが、これらは消費者が望む高品質なサービスを提供するものの、消費者を長期的に維持するために必要な機能を提供しないと指摘している
同調査によると、消費者はデジタル音楽配信サービスへの最も重要な要求として、「サービス品質」を挙げている。特に利用料金を支払うのに見合った条件として、音楽ファイルの音質(38%)、ウィルスチェック済み(33%)、高速なファイル転送(32%)などが挙げられた。
しかし、間もなく開始予定の音楽配信サービスでは、サービスの品質は高いものの、消費者にとって最も重要な機能を十分に提供しないようだ。同調査によると、有料の音楽配信サービスに消費者が最も望む機能として「ダウンロードした楽曲の複製機能」(48%)、「あらゆる再生機器で視聴できる機能」(36%)が挙げられている。年内にもサービスを開始予定のMusicNetとPressPlayでは、いずれの機能も利用することができない。
Jupiter Media MetrixのアナリストであるDanielle Romano氏は「MusicNetやPressPlayといったレコード会社が後援する事業では、無料サービスと差別化するためにサービス品質に重点を置いている。しかし、これらの事業は、消費者が望む新機能を提供する必要がある」とコメントした。
一方で、MusicNetやPressPlayなどの影響もあり、米国のオンライン音楽市場は今後5年間で急成長するとの調査結果も出ている。オンライン音楽市場は年率43%で成長し、売上高は2001年の10億ドルから2006年には62億ドルに拡大する見込み。音楽市場全体に占めるオンライン音楽の売上高は、2001年の7%から2006年には32%にまで増加するという。
また、デジタル音楽の売上高は2001年の2,900万ドルから2006年には19億ドルに拡大し、2001年にはシングルのダウンロード販売が大部分の2,500万ドルを占めるが、2006年には会員制サービスの利用料金が12億ドルと優勢になると予測している。
Jupiter Media Metrixの上級アナリストであるAram Sinnreich氏は「レコード会社によるデジタル音楽サービスの開始は、音楽市場が着手した変化の始まりに過ぎない。次のハードルは、ダウンロードした楽曲を複製したり、あらゆる再生機器で視聴できるといった、消費者が望む機能を備えながら、受容できる料金でサービスを提供することだ」とコメントした。
(2001/7/24)
[Reported by hiro@nakajima-gumi.net]