【ストリーミング】

「ユビキタス・メディアサービス事業」で距離や組織を超えたビジネス環境を目指す

富士ゼロックス、ブロードバンド対応の映像・資料配信サービスを開始

■URL
http://www.ubiquitous-media.com/
http://www.knowledge-drive.com/
http://www.fujixerox.co.jp/release/2001/0724_yubikitas.html (リリース)

右から富士ゼロックス ニュー・ビジネス・センターの三田氏、庄野センター長、池田氏
 富士ゼロックス株式会社は、ブロードバンドに対応した“共創環境”によるビジネスを目指す新事業「ユビキタス・メディアサービス事業」と、その中心となる映像・資料配信サービス「Knowledge-Drive」(ナレッジドライブ)を7月25日より開始すると発表した。

 「ユビキタス・メディアサービス事業」とは、高速回線を活用し時間や距離といった制約から開放されたビジネス環境を提供することで、個々の発想をベースとしたプロジェクトの共同創造・実現を目指したサービスだ。この背景には、富士ゼロックス・パロアルト研究所での研究成果や、WIDEの学習プロジェクト「School on Internet」での映像送受信技術の蓄積、1992年来の「ザ・ドキュメント・カンパニー」というテーマとのもとに富士ゼロックスが推進してきたドキュメント管理技術・ナレッジマネジメント技術などがあるという。これらをもとに、高速回線上で映像と通信を融合させ、遠く離れた人同士がその場で対面しながら会話しているように自然でリアルなコミュニケーション環境を提供し、場所や会社の枠を超えた新たなビジネス環境の実現を図る狙いがある。

 具体的には、映像・資料配信サービス「ナレッジドライブ」を中心としたサービスを展開する。「ナレッジドライブ」とは、映像コンテンツの収録から編集・制作・配信といった一連の作業を一括して提供するもので、リアルタイムの映像収録・配信、またプレゼンテーション資料などを同期させた配信を可能にする。映像収録場所と閲覧するユーザーを結んで音声やチャットでコミュニケーションできるほか、ユーザーの希望の部分をクローズアップして映すことも可能だ。収録した映像・資料はオンデマンドでの配信にも対応し、その際、映像の主要シーンのサムネイル表示や、映像音声からのキーワード検索再生といった要素を付加し、知識コンテンツとしての価値を高めた配信が行なわれる。

 説明会場ではサービスの説明を行ないながら、「ナレッジドライブ」のデモも同時に展開。会場全体を写す画面とは別に来場者をクローズアップしたり、説明者を違う角度から映した映像などを加えながらプレゼンテーションを進行した。また映像の重要な部分は大きく、あまり重要でない部分は小さいコマで表示されるサムネール機能や、音声検索なども実演していた。なお映像撮影・収録には富士ゼロックスのパノラマ画像ストリーミングシステム「FLYCAM」、オンデマンド配信には場面検索機能搭載ビデオ配信サーバー「MediaDEPO」を使用し、またネットワークおよびデータセンターには、ソニーの「bit-drive」のサービスを利用する形となる。

 「ナレッジドライブ」の価格はリアルタイムの映像収録・資料同期配信が1回20万円から、オンデマンドの映像・資料同期再配信が1ヶ月約25万円からで、販売は代理店を通じて行なわれる。また「FLYCAM」と「MediaDEPO」は単体でも販売し、「FLYCAM」180度ベーシック版で220万円から、「MediaDEPO」ベーシックタイプで320万円からとなっている。富士ゼロックスでは企業内の事業拡張や他企業とのコラボレーション、教育・イベントなどの分野での展開を見込んでおり、2004年に約100億円規模の売上げを目標としている。

ユビキタス・メディアのビジネスモデル デモ画面より、「FLYCAM」でパノラマ映像と部分クローズアップ 映像の主要部分をサムネール表示

(2001/7/24)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


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