|
■URL
http://www.microsoft.com/japan/support/default.asp (サポート情報)
http://www.microsoft.com/japan/enable/research/ (8/1より)
東貴彦取締役
|
マイクロソフト株式会社は、話し言葉でサポート技術情報の検索ができるオンラインサポートサービスを8月1日より開始する。利用料は無料。
同サービスは、東京大学との共同研究による自然言語処理プロジェクト「Strelitzia」から生まれたものだ。過去のサポート情報をデータベース化したナレッジベースや検索履歴など複数の異なるデータベースをまとめて、自然言語エンジンを用いてユーザーに提供するもので、技術情報の大部分を占めるサポート技術情報の検索を話し言葉検索に対応させた。東京大学からは検索用の同義語情報を含む専門用語辞書構築など自然言語処理分野における技術協力を得て、検索エンジンの開発をマイクロソフトが行なった。
Wordの段組機能に関するサポート情報を検索している画面
|
マイクロソフトでは、サポート情報の検索やヒント集、トラブルシューターなどをオンラインサポートで提供している。しかし、従来のオンラインサポートは、キーワード検索のみで検索が可能だったため、専門用語がわからないと知りたい情報にたどりつけず、初心者にとっては使い勝手の悪いものだった。今回、話し言葉および文章での検索が可能となることで、オンラインサポートの敷居が低くなり、初心者でも容易にサポートが受けられるようになる。例えば、Wordの段組機能に関するサポート情報を検索するには、これまで「段組」という用語を入力する必要があったが、「ワードで文章を左右に分けて入力する方法を教えて」というように専門用語が分からなくても検索が可能となる。検索結果は、およそ5秒で表示され、入力した言葉に対する技術情報のヒット率順にスコア付けがされるので、より精度のよい情報検索ができるというわけだ。さらに同義語辞書(シソーラス)やミススペルなどの表記ゆれにも対応している。また、同システムはユーザーが質問文に使った単語を辞書に取り込んでいき、ユーザーニーズ合わせて進化していく。
マイクロソフトの東貴彦取締役は「パソコン利用者層の拡大に伴い、デジタルデバイドに対応したサービスなど、これまでのユーザーサポートサービスのあり方を抜本的に見直す必要性が出てきている」と述べ、より多くのユーザーが容易にオンラインサポート情報を活用・共有できることで、「ユーザービリティの向上やデジタルデバイドの解消に役立つ」と語った。
マイクロソフトでは、「Strelitzia」の次段階として、11月には7,000語に対応した専門用語辞書の提供、2002年2月には対話処理によるヘルプシステムを提供する予定だ。さらに、携帯端末用専門用語辞書や音声認識技術と組み合わせた情報サービスなども提供し、よりユーザービリティの高いオンラインサポートを目指す。
(2001/7/25)
[Reported by moriyama@impress.co.jp]