【調査結果】

デジタル音楽配信サービスの成功にはDRM技術の標準化が不可欠~米調査

■URL
http://www.gartner.com/5_about/press_releases/2001/pr20010829c.html

 米Gartnerの調査サービス部門GartnerG2は29日、5大レコード会社が計画しているデジタル音楽配信サービスを成功させるためには、音楽配信プラットフォームの標準化に合意する必要があるとの調査報告を発表した。GartnerG2では、デジタル音楽配信に向けたデジタル著作権管理(DRM)技術が2004年までに標準化されると見ている。

 Gartnerは、Universal、Sony、BMG、EMIおよびWarner Musicの5大レコード会社が、デジタル音楽配信サービスで収益を確保できるかどうか議論の最中にあると指摘。各レコード会社は適切なDRMソリューションを見つける必要があり、同時に消費者を惹きつけなければならない。つまり、消費者は財布と相談して、オンラインで望むものが得られなければ、どこか他へ行ってしまうことになる。

 GartnerG2の上級アナリストであるP.J. McNealy氏は「DRMの標準仕様が策定されるまで、消費者はサービスを利用しないだろう。デジタル配信は消費者にとって簡単でなければならず、DRMソリューションは全ての音楽ソフトウェアやハードウェアに対応する必要がある。これを実現するためには、5大レコード会社が協力しなければならないが、2002年までは期待できそうにない」と分析。

 GartnerG2が6月に実施した、米国の成人インターネットユーザーを対象とした音楽視聴利用調査によると、PCでCDを聴くと答えたユーザーは50%だが、インターネットから音楽をダウンロードして聴くと答えたユーザーはわずか25%だった。また、過去3カ月間にデジタル音楽をダウンロード購入したユーザーは6%に過ぎなかった。これらの結果から、消費者はインターネットを通じた音楽の購入やダウンロードをまだ受け入れていないと指摘している。

 GartnerG2の調査ディレクターを務めるMike McGuire氏は「音楽業界がDRM技術を採用した場合には、映画や家庭用ゲームといった他のタイプのコンテンツへの指針となるだろう。さらに、DRMの導入は消費者に大きな影響を与え、CDやテープ、書籍などの商品を購入することから、これらのコンテンツをサービスとして購入するようになるだろう」とコメントした。

(2001/8/30)

[Reported by hiro@nakajima-gumi.net]


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