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■URL
http://www.eaccess.co.jp/jp/info/pr010830-3.html
http://www.eaccess.co.jp/jp/info/pr010830-2.html
http://www.japan-telecom.co.jp/
握手を交わす日本テレコム、イー・アクセス両社長(中央) |
日本テレコム株式会社とイー・アクセス株式会社は、ブロードバンド情報通信分野における戦略的な提携に合意したことを発表した。また、日本テレコムは今回の提携に伴いイー・アクセスの第三者割当増資を引き受け、40億円を出資の行ない単独筆頭株主となることもあわせて発表した。
両社は、同じADSL業者として「共食い」にならないために、4分野において連携をはかる。1つ目は「ネットワークインフラの相互補完」。日本テレコムはADSLサービスを提供する際に、イー・アクセスのネットワークを利用する一方で、イー・アクセスが提携ISPにホールセールを行なう際は、日本テレコムのネットワークを利用するなどのインフラ相互補完を行ない、コスト削減を図る。2つ目と3つ目は「営業協力」と「開発・ノウハウ共有」。お互いの販売経路の共用などで販売促進を狙い、開発・ノウハウ共有により顧客満足度アップとコスト削減を狙う。具体的なノウハウ提供としては、日本テレコムが開発したコンテンツ配信・課金サービス「J-ビジョン」などの提供なども視野に入れられている。4つ目が「VoIP技術の共同開発」。両社はVoIPを次の大きな主要サービスと認識しており、この開発とサービス展開にあたり相互補完を図る。
発表を行なう、日本テレコム村上春雄社長 |
イー・アクセス千本社長 「これからは顧客満足度優先だ」 |
今回の提携の目的として、発表を行なった日本テレコム村上春雄社長は「(日本テレコムが提供している)ODNは今年3月よりADSLサービスの提供を開始したが、日本テレコムにはADSLのノウハウとリソースが乏しい。今後数年間ADSLサービスを提供していくためには、スピードとコスト削減が必要だ。そのためには、イー・アクセスのノウハウなどが必要だ」と述べた。また「正直、昨年までADSL事業に進出することに乗り気ではなかった。次にくるであろう光通信との兼ね合いを考えつつ見守る姿勢だったが、昨今の爆発的なADSL加入者数の増加に遅れないためには今回の提携が必要だ」と述べた。一方のイー・アクセス千本倖生社長は「我々は独自の営業方針などで、大都市圏(東京・大阪・名古屋)を中心にADSLサービスの提供を行ない、都心部での実績には自信がある。しかし、今後コンテンツ分野やVoIPなどに参入する際の、コスト削減とユーザーサポート力強化のために今回の提携が必要だった」と述べた。両者とも強調していたのが「スピード化」と「コスト削減」だ。
なお、イー・アクセスは未公開企業としては日本最大の第三者割当増資を実施し、9月払い込みにより約90~100億円の資金調達を行なう。内訳としては、日本テレコムが40億円を出資して持ち株比率15%となり単独筆頭株主となる。これにより出資比率は、カーライル・グループが12.3%。ゴールドマン・サックス・グループが11.3%となる。これにより、イー・アクセスの資本金は100億円となる。今回の増資募集の理由としては、主にADSLサービスエリアの拡大・バックボーンの構築・FTTHへの進出等の理由があげられている。
イー・アクセス千本社長は「Yahoo!がADSL業界にあの値段で参入してきたことは、ポジティブに捉えている。これにより競争が激化し、料金的に日本は世界最高水準に達することができた。しかし、今後は料金だけでなく、顧客満足度を上げることが勝利の条件だ」というように、やはりYahoo!BBの影響は無視できないようだ。生き残りをかけた値下げ合戦の中、「質」「料金」ともにユーザーに満足を与え生き残るための努力は、まだまだ続くようだ。
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(2001/8/30)
[Reported by otsu-j@impress.co.jp]