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【事業計画】

ブロードバンドコンテンツで利益アップを狙う
アットホームジャパン

■URL
http://www.jp.home.com/

 アットホームジャパンは、CATVインターネットサービス「@NetHome」におけるコンテンツ分野の取り組みを強化する。現在、売上のほとんどを占めているインターネット接続サービス部分は利益率が薄いため、ブロードバンドコンテンツを含むソリューション全体で利益を上げるのが狙いだ。

 昨日の記事でもお伝えしたように、アットホームジャパンは8月現在、全国42局のCATV局に@NetHomeサービスを提供しているが、接続サービスを含むフルサービスを利用しているのは19局。過半数の23局は、コンテンツ/バックボーンの利用となっている。

 この数字からは、@NetHomeのサービスの中ではコンテンツ/バックボーンの需要が高いように思えるが、CATV局にとってコンテンツは「接続サービスの付加価値という位置づけ」(廣瀬禎彦代表取締役社長)に過ぎず、@NetHomeの売上のほとんどは接続サービスによるものだという。ところが接続サービスは、加入者が増えれば売上も増えるかわりにインフラのコストも増えてしまう。「コストプレッシャーの強い構造」だとしており、「接続サービスではほとんど利益が出ない」という結果に陥る。

 一方、同社がユーザーに対して行なったコンテンツの評価アンケートによると、月額1,350円の価値があるという結果が出たという。ただしこれは平均値であり、もっとも分布が集中した価格帯を考慮すると、月額500円程度の価値を認めていると考えるのが妥当だとしている。ユーザーから高く評価されているコンテンツ分野が「軌道に乗れば」、利益率も高く、売上の増加に期待できるというわけだ。

 具体的な提供コンテンツとしては、早稲田大学「ラーニングスクエア」の有料配信を今秋から開始するほか、パイオニア・ミュージック・サテライトの振り付けカラオケ「モーションパラダイス」、ヴィアールワンの「リアルカーシミュレーション」などを予定している。また、エリアが特定されるというCATVの性質を生かし、CATV局と組んだ地域コンテンツ事業の展開も検討しているという。

 このほか、@NetHomeの加入者が専用ブラウザーから利用できるコンテンツとしては、ニュースや生活情報、趣味の番組、ゲームなどがすでに提供されている。ネットワークの品質を保つため、ライブ中継や映画配信といったアクセス同時集中型/長時間視聴型のコンテンツをあえてラインナップしていないのが特徴だという。その一方でダウンロード型のコンテンツには力を入れており、現在までに1,080本のコンテンツを提供。「加入者限定のポータルとして、これだけ充実したダウンロードコンテンツを用意しているところは他にはないのではないか」(コンテンツ&メディアビジネスマネージャーの渡辺康生氏)としている。特に毎月10本の新作を追加しているゲームの人気が高くいという。

 @NetHomeのユーザー料金はCATV局単位で設定されるが、J-COM@NetHomeの場合は月額5,800円、放送サービスとのセット契約では月額5,100円となる。@NetHomeの加入者のうち90%がセット契約を利用しているという。

 しかしながら、低価格化が急速に進んでいるADSLに比べると割高感は否めない。これについて廣瀬社長は、この料金が500円相当のコンテンツや家族の利用にも対応できる5つのメールアカウントを含んでいるものだと指摘。それらの付加価値を考えれば、接続サービス部分は「フレッツ・ADSL」とほぼ同じ水準だと説明する。とはいえ、フレッツ・ADSLも再度値下げが発表されてしまった。廣瀬社長自身も「価格そのものはダイナミックに変わる」と見ている。

(左から)廣瀬禎彦代表取締役社長、深町敏幸営業本部長、渡辺康生コンテンツ&メディアビジネスマネージャー。30日に開かれた記者会見の冒頭、廣瀬社長は「株主である米Excite@Homeは厳しい状況だが、(アットホームジャパンが展開する)日本での事業は順調」であることを強調した

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(2001/8/31)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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