【研究開発】

ブロードバンドを活用した共有空間を目指す産学協同プロジェクト「SOBA」

■URL
http://www.soba-project.org/

SOBAのサイト  京都大学の中島玲ニ教授の研究グループを中心とする5大学の研究グループとオムロン株式会社は、産学協同の研究・開発プロジェクト「SOBA」(Session Oriented Broadband Applications) の発足を発表した。

 これはブロードバンド環境の普及に対し、高度な利用への展望がまだ開けていない現状を受けて、インターネット上に共有空間を作り出す「SOBAフレームワーク」を共同で研究・開発し、ブロードバンド環境の活用に役立てることを目指すプロジェクトとなる。
 「SOBAフレームワーク」とは、PtoPで仮想的かつ動的な共有空間を作り出せる仕組みで、空間を自由に生成し、必要に応じて分割・統合・消滅を行なったり、共有空間内で共同でアプリケーションを扱えるといった機能を持つものとなる。例えば、複数のユーザーが一つの共有空間に参加して、各ユーザーが必要なアプリケーションをその空間に持ち込んで、アプリケーションを共有したり、空間内に動画や音声などを持ち込み、そのコンテンツを共有するといった動作を実現する。またSOBAフレームワーク上でアプリケーションの作成も可能で、個別の機能を持ったソフトウェア部品を組み合わせて、高度な専門知識を持たないユーザーでも、希望のアプリケーションを作成でき、自分のWebサイトなどに組み込んで提供することも可能という。
 開発言語にはJavaを用い、当初はWindows版を開発するが、追って家庭用ゲーム機や携帯電話などにも展開するという。当面は「SOBAフレームワーク」の開発を行ない、2002年3月をメドにアルファ版をリリースする。追って同フレームワーク上で動作するアプリケーションやソフトウェア部品の開発も手がける方向だ。

 プロジェクト「SOBA」では、開発プロセスをオープンにしながら出資・参加を希望する個人や企業を募り、ベンチャー企業設立も含めたSOBAフレームワークの製品化・事業化を図っていく。また企業や大学の研究者がSOBAに参加できるよう広く呼びかけ、賛同者とともに「ブロードバンド時代の応用の可能性を広げる」という目的達成を目指すという。

 「SOBA」の現在の構成は以下の通り。
 ・京都大学 中島玲二教授 (数理解析研究所)を中心とするグループ
 ・慶應義塾大学 萩野達也教授 (環境情報学部)を中心とするグループ
 ・東京工業大学 柴山悦哉教授 (数理・計算科学専攻科)を中心とするグループ
 ・東京大学 米澤明憲教授 (理学部 情報科学科)を中心とするグループ
 ・早稲田大学 二村良彦教授 (理工学部 情報学科)を中心とするグループ
 ・オムロン株式会社

(2001/9/4)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


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