【回線】

“普通の電話”会社、平成電電が10月よりサービス開始

■URL
http://www.hdd.co.jp/ (平成電電)
http://www.try-net.or.jp/ (トライネットワークインターナショナル)
http://www.freecom.ne.jp/ (フリーコム)

左から平成電電の井田社長、佐藤会長
 平成電電株式会社という新たな電話会社が、10月からサービスを開始する。「10円電話」をキャッチフレーズに、IP電話ではなく“普通の電話”サービスを展開していくという。

 平成電電のサービスは、“市内通話3分7.5円、県内市外3分10円、県外市外2分10円”というシンプル、かつ低料金の料金体系となっている。同社の井田高次社長は「IP電話などではなく、旧来の技術を使った普通の通信・電話の提供が目的」としている。
 IPなどの技術を使わずに料金を抑えて提供できるのは、「沖電気のD8000型回線交換機を用いた最新の交換技術によって平成電電のネットワークを構築し、またNTTコミュニケーションズとの協力で各県のZc局(市外交換機設置局)と相互接続を行なっている。このZc局の相互接続料の値下げや、コロケーションの制度化をはじめとした規制緩和の潮流、身の丈に合った効率的な設備投資、コスト削減努力などで、この価格で提供できる」(井田社長)としており、開業への設備投資も、従来の10分の1ほどで可能になったという。

 サービスはまず東京・大阪・福岡地域を対象としたインターネット接続サービス(3分7.5円)から開始し、追って11月に北海道・千葉・埼玉・神奈川・愛知・兵庫にエリアを拡大し、音声通話を含めたサービスを開始する。2002年4月には日本全国に音声通話・インターネットの両サービスを展開する予定だ。インターネット接続サービスは、まず無料ISP「フリーコム」の会員を中心に展開し、追ってISPなどとの提携を図っていくという。
 2002年4月からは、全国に敷設した40Gのバックボーン網を利用し、ブロードバンド用バックボーンをISP向けに提供するアクセス回線サービス、国際電話サービスも開始する方向で、さらに固定-携帯電話間を3分60円、携帯電話間を3分80円で提供する携帯電話サービスも視野に入れているという。この携帯電話サービスは、「携帯電話をラスト1マイルと考え」(平成電電・佐藤賢治会長)、平成電電の中継網を利用して携帯電話間・および携帯電話と固定電話間の通話を低料金で提供することを目指しているが、現在のところ「NTTドコモ、Jフォン、auの各社から断られている状態」(佐藤会長)という。なお同社は「0083」の識別番号を持ち、マイラインにも対応する方向だが、当面は法人主体の展開を図る方向だ。

 なお平成電電の親会社は、フリーコムを運営するトライネットワークインターナショナル。同じく関連会社であるフリーカー・ジャパン株式会社のサービスを利用して、乗用車ラッピングを利用した広告展開も予定している。また2002年度の回線獲得目標を85万回線、売上げ目標は150億円としており、2003年度は150万回線、300億円を目指すという。

平成電電の事業モデル 宣伝用に使われる「FreeCar」のサンプル

(2001/9/5)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


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