【買収】

Ask Jeevesが“Googleキラー”と呼ばれるサーチエンジンTeomaを買収

■URL
http://ask.com/docs/about/tpr.html
http://www.teoma.com/

 自然言語による検索を行なうサーチエンジン米Ask Jeevesは11日、米Teomaを買収したことを発表した。買収金額などの詳細は発表されていない。

 TeomaはGoogleに極めて似たインターフェイスのサーチエンジンで、その検索結果の良さから一部の評論家から「Googleキラー」と称されるほどだ。非常に優良な検索結果を表示されるといわれるGoogleでは、特定のページがどれだけ他のページからリンクされているかというデータを数値化し、それをランク付けする「PageRank」技術によって検索結果の精度を上げていた。Teomaではさらにこの技術を推し進め、検索語が表す特定の分野の情報が含まれているページからどれだけ数多くリンクされているかを調べる。また、その分野について質の高いリンク集を提供しているサイトをエキスパートサイトと名付け、これらのコミュニティーを特別視することによってさらに検索結果の精度を上げている。その結果、ただ単に数多くリンクされているページではなく、分野別に重要視されているサイトが上位に表示されることになる。

 Teomaの検索結果はWebページへのリンクの列といった表示結果だけでなく、検索語の概念によって分類された分野別のフォルダが表示され、その中に特定の概念に一致するページがまとめて表示される。さらに検索語にふさわしいリンク集を提供しているサイトをエキスパートリンクとして別に表示する。

 Ask Jeevesでは、Teomaの検索技術をAsk Jeevesのサイト内で最大限利用することを検討しているが、Teoma.com自身は独立したサーチエンジンとして存続し続ける。Ask JeevesはさらにTeomaの検索技術をイントラネット用のサーチエンジンなどの製品にも応用していきたいと考えている。現在Ask Jeevesはサーチエンジンの機能をAbout.com、iWon、MSN、Lycosなどの企業に提供している。

 Teomaは現在ベータテスト中であるが、サーチエンジンについて調査しているいくつかの個人サイトでもTeomaの検索結果は高い評価を受けている。しかし依然としてインデックスされているページ数や表示結果に偏りがあるなど改善すべき点も多いことが指摘されている。現状ではGoogleの方がはるかに検索結果を多く得られるのが実情だ。また対応している言語の数も少なく、現在、日本語を利用することもできない。しかし高度な技術を持っていることや、シンプルなインターフェイスから今後さらに注目を集めることはほぼ確実で、今回の買収により現在北米のサイトで17番目に位置するAsk Jeevesがどこまで浮上してくるかが注目されるところだ。

(2001/9/12)

[Reported by taiga@scientist.com]


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