【新事業】

KCCS他、医療データのストレージ・配信の新会社「メディカルデータ」を設立

■URL
http://www.kccs.co.jp/ (KCCS)
http://www.fukuda.co.jp/ (フクダ電子)

左からメディカルデータ・下坂博信社長、KCCS・森田直行社長、フクダ電子・高橋隆常務
 京セラコミュニケーションシステム株式会社(以下KCCS)とフクダ電子株式会社の両社は、ヘルスケアデータストレージ事業を行なう「メディカルデータ株式会社」を、10月1日に設立すると発表した。

 メディカルデータは、在宅健康管理や在宅医療の支援を目的に、医療データのストレージおよび配信を主体とした事業を行なっていく新会社だ。KCCSはデータのストレージや配信、メール送受信といったデータセンター的な機能をASPとして提供。医療機器大手であるフクダ電子は、医療機器のハード面および医療データ処理技術を担う形となる。

 まず2002年春より、モバイル心電計を利用したサービスを開始する。これは病院が手術後の経過観察が必要な患者に対して通信機能のついたモバイル心電計を貸与し、患者はこれを用いて心電データを測定、送信する。担当医は送られてきた心電データから診断を行ない、必要な場合はアドバイスをメールやファクスで患者に送るものだ。患者はいつ、どこからでも心電データの送信や医師からのアドバイスを受けられ、通院などの時間的な負担が減らせるメリットがある。また医師にとっては、計測機を患者に渡すだけで、難しい操作を必要とせずに医療データ収集が可能になる。データの送信は心電計に接続された送信ユニット(PHS通信カードを利用)で行ない、診断の安全性を高めるため、医療データを蓄積するサーバーと各病院の医師が利用するPC間で、データの整合性を確認する機能も持つ。

 もともとは平成10年に沖縄県在住の医師が、遠隔医療の案としてPHSを使った心電データ送信ができないかという相談をKCCSに持ちかけたことが発端だという。その後フクダ電子との共同検討などを経て、平成12年にFROM沖縄推進機構からの助成を受けて実証実験を行ない、今回の事業化につながった経緯がある。メディカルデータではこの心電データを手始めに、今後は血圧や血糖値、尿糖値などの各種バイタルサイン(生体情報)への対応を視野に入れており、平成14年度で契約端末数5,000件で年商1億円、平成18年度で年商30億円を目標としている。

モバイル心電計のイメージ 同バックオフィス

(2001/9/26)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


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