【新サービス】

西和彦氏、“人にやさしい”掲示板「1ch.tv」をプロデュース

■URL
http://1ch.tv/ (10/5開局)

 株式会社アスキーの特別顧問である西和彦氏と、バリュー・エクスチェンジ株式会社、および株式会社Eストアーは、会員制の掲示板サービス「1ch.tv」を5日より開始する。登録料金は無料。当初は無料で提供するが、2002年2月から有料サービスを開始する予定だ。開局6ヵ月後には、1日あたり40万ページビュー、月間1億ページビューを目指す。また、掲示板システムの構築に、かつて大規模掲示板サービス「あめぞう」を運営したあめぞう氏が協力する。

 「1ch.tv」では、60板(ジャンル)に分類されており、その中に400スレッド(トピック)が格納される。全てのトピックスを保存し、自由に検索・閲覧できるようにする。書き込みは、実名・ペンネーム・匿名でも可能だが、2つの名前を使い分ける「自作自演」などはできないシステムになるという。各板には、編集長、編集者を置き、意味のない投稿や嫌がらせ、非難中傷やブラクラ(ブラウザークラッシャー:悪意のあるHTMLやJavaScriptなどを使って、システムに高い負荷をかけPCをダウンさせる行為)などを削除していく。また、全体の半分にあたる30板で有料サービスを実施する方向で、情報発信者自身が“価値のある著作物だ”と判断した場合、1アクセス5円から10円程度の有料コンテンツとして値段を設定できる。将来的には、第三世代携帯電話やPHSなどの動画転送技術を利用して、リアルタイムで映像・音声・記事の有料発信ができる仕組みや、日本語を15~16ヶ国語に自動翻訳する機能を確立する予定だ。このように、一般の人々が価値のある専門知識を発信することで、「知価創造化社会」の実現を目指す。

 決済は、プリペイドカードやICチップを埋め込んだクレジットカードを使って、バリュー・エクスチェンジが提供する循環型決済管理システムによって行なう。ICクレジットカードについては、ポケットカード株式会社(現社名マイカルカード株式会社、2002年1月1日社名変更予定)と調整中だ。

 「1ch.tv」を開始する動機について西氏は、「『2ちゃんねる』を見て、こんな失礼で、酷い、めちゃめちゃなBBSがあっていいのか」と疑問に持ったという。そこで実際に、「2ちゃんねる」のユーザーと話し合ってみて、「『それなら、自分でやってみろ』と煽られた」ことも一因となったようだ。また、西氏は、「『2ちゃんねる』が使いやすく改造できないのは、他人の作ったスクリプトを『パクった』からだ」と指摘し、そのオリジナルスクリプトを作った、あめぞう氏が協力していることで「ネーミングには、元祖『1ch.tv』という意味もある」と語った。

 バリュー・エクスチェンジの清水康司社長は、「『1ch.tv』は、他の巨大掲示板などで疲れた人が、気持ちよくコミュニケーションできる“やさしさ”を目指した掲示板だ。そのために、編集人が書き込みをチェックする。また、有料課金は、面白い話を聞いた時のお礼の気持ち程度にとらえてもらえればよい」と語った。さらに、あめぞう氏からもメッセージが寄せられた。同氏が運営していた掲示板が、悪意のある書き込みによって荒れてしまい、閉鎖した経験から、そのような人物は数少ない人物で、匿名であることを隠れ蓑に、繰り返し書き込むことで事態が増幅していくと分析した。その上で、「一人でも、多くのひとが『世の中、まだ捨てたものじゃないな』『インターネットのおかげで、いい気分だ』『人間って良いものだな』『生きていて、良かったな』と思ってもらえる、ものを作りたい(原文ママ)」と述べている。

(2001/10/4)

[Reported by okada-d@impress.co.jp]


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