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■URL
http://www.w3.org/TR/2001/REC-xsl-20011015/
http://www.w3.org/2001/10/xsl-pressrelease
Webの標準化団体であるWorld Wide Web Consortium (W3C)は16日、「Extensible Stylesheet Language(XSL)1.0」をW3Cの勧告とすることを発表した。W3Cの勧告となること自体に拘束力はないが、これは仕様が確定し、Webの世界で一般の使用に耐えるほど業界に認知された技術となったことを意味する。
XSLは、XML文書をどのように表示するかを指定するためのスタイルシート言語だ。XML文書は文書を構造化し、それぞれのデータがどのような意味を持つのかをコンピューターが理解できるようにタグで明示するものだが、コンピューター画面に表示したり印刷物にするためにどのように表示すればよいかについては何も指定しない。XSLは、このようなXML文書の表示整形方法を指定するもので、脚注、ヘッダー、段落、その他のページの要素を「formatting object」として言語の中から利用できるようにし、それぞれの表示方法をプログラミングによって指定する。
その意味でXSLはCSSとよく似ており、W3CではXSLとCSSは相互を補完する技術と位置付けている。CSSは、単純に要素をスタイルに割り当てるだけなので、一般にWebデザイナーがWebページを意図通りに表示させるのに適している。XSLは、通常のプログラミング言語のように、テンプレートや関数などといった高度な機能を持っているため、利用するのに高度な技術を要する一方で整形の品質はCSSをはるかに超えている。そのためWebにとどまらず出版業界にも大きな影響を及ぼすと考えられている。
また、別の見方をすれば、XSLは「XSLT(XSL Transformation)」を補完する技術であるとも言える。XSLTはXML文書の構造を変換するための言語で、自動的に目次、索引を生成したり、引用構造を加えたりすることに使われるが、XSLはその変換された後の文書を整形してWebページ、文書などで出力することを可能にする。これにより一つのXML文書を用意すれば、用途に応じてXSLTを使って文書の構造を変え、最終的にXSLを使って複雑な文書をきれいに整形し、ブラウザーの中で表示したり、パンフレットや書籍のような印刷物にする、といった利用方法が考えられる。なお、「XSLT1.0」は1999年11月に既にW3C勧告となっている。
(2001/10/17)
[Reported by taiga@scientist.com]