【コンテンツ配信】

米Kontiki、P2P技術を使ったメディア配信の運用試験を開始

■URL
http://www.kontiki.com/company/pressrelease011018.html

 


クライアントソフト

 P2P技術を使ったデジタルメディア配信サービスの米Kontikiは18日、運用試験を開始した。最初の顧客となるのは、米Sony Pictures EntertainmentやPalm、MP3.com、Loudcloud、Amazon、Verisignなどで、各社の顧客に対してリッチメディアを配信できるネットワークを構築し、TV並の画質を持つ動画やドキュメント、音楽番組などを提供する。運用試験の完了後、10-12月期の遅い時期に「Kontiki Delivery Network」の正式運用を開始する予定だ。Kontikiでは、リッチメディア配信ネットワークを活用することで、販売コストやマーケティング費用などを削減しながら、売上や顧客の忠誠度を高められるとしている。

 試験ネットワークのプレビューは、現在Kontikiのサイトからダウンロードして利用可能だ。実際に専用クライアントソフトを使用してみたところ、インターフェイスは、NapsterやFastTrackなど他のP2Pクライアントと一見似ており、各配信コンテンツを紹介する「HOME」、現在のダウンロード状況などを表示する「MY DELIVERIES」、検索窓を表示する「SEARCH」などの画面をタブで切り替えられるようになっている。試験ネットワークでは、AmazonのJeff Bezos氏の講演ビデオや、人気アーティストBeckの楽曲ファイル、ゲーム「Star Wars Galactic Battlegrounds」のデモなどがダウンロード可能だ。


Jeff Bezos氏のビデオをダウンロード


ダウンロード中の画面

 なお、Kontikiは、非公開で実施したベータ試験の結果、TV並の画質を持つビデオの配信を、従来のコンテンツ配信ネットワーク(CDN)に比べて、配信速度を最大10倍、配信コストを3分の1以下にできたことを明らかにしている。

 このような高速化やコスト削減は、同社が特許を申請中の技術「Bandwidth Harvesting」によって実現した。この技術は、ユーザーが予約したコンテンツをネットワークが空いている時間に配信する「Time Shifting」、ネットワークの状況に応じて複数のサーバーからファイルを分割して配信する「Adaptive Rate Multiserving」、他ユーザーのコンピューターのキャッシュからコンテンツを配信する「Outer Edge Caching」、の3つの技術からなる。

 Kontikiは、米Netscape出身のMike Homer氏らが設立した企業。運用試験の開始について、Kontikiの共同設立者でCEOを務めるMike Homer氏は「当社の初期の顧客は、各社の顧客にエンターテインメントや娯楽、教育などの番組を配信する。この試験には、ビジネス界や技術業界のスーパースターに加え、最良のエンターテインメント企業が参加する」とコメントした。

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(2001/10/19)

[Reported by hiro@nakajima-gumi.net / okiyama@impress.co.jp]


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