【裁判】

米連邦地裁、著作権侵害で「AOL 6.0」の配布を差し止める仮命令

■URL
http://www.playmediasystems.com/

 米連邦地裁は29日、米PlayMedia Systemsが米American Online(AOL)に対し、専用クライアントソフト「AOL 6.0」に組み込まれているMP3再生技術にPlayMediaの技術が許可なく使われているとして訴えている訴訟について、PlayMedia側の主張を認める仮命令を下した。PlayMediaが30日、明らかにした。地裁はAOLに対し、PlayMediaのソフトを組み込んだAOL 6.0の配布差し止めや、AOL 6.0のユーザーを含む全てのライセンス先に差し止め命令の発行を通知するよう命じている。

 問題となっているのは、PlayMediaが開発したMP3デコードエンジン「AMP」。PlayMediaは1999年、米NullsoftにAMPをライセンス供与し、Nullsoftの音楽再生ソフト「Winamp」に組み込まれた。PlayMediaはNullsoftに対し、「Winampと共に使用する場合に限り」サブライセンスを許可していた。しかし、1999年にAOLがNullsoftを買収した後、AOL 6.0の「Media Player」にAMPを無許可で使ったとして、PlayMediaは2001年4月、AOLに対して著作権侵害訴訟を起こしていた。

 この訴えに対し、AOL側はPlayMediaのソフトを侵害していないと否認すると共に、差し止め命令が下されれば数百万ドルの費用がかかると訴えていた。しかし、裁判所はAOL側の主張を退け、PlayMedia側の主張が正当性が高いと判断し、今回の仮決定を下した。 地裁の仮決定では、係争中の間、被告側のAOLや子会社、配布パートナー、代理店、社員などに対し、正式な判決が下されるまで、Winamp以外のソフトで、AMPソフトを複製して搭載することや、AMPをベースとする派生ソフトを開発すること、AMPを搭載するAOL 6.0を配布したり他社へライセンス供与すること、などを禁止している。

 今回の仮命令は旧版のAOL 6.0に対するものであり、AOLが16日に発表した新版のAOL 7.0には適用されない。しかし、PlayMediaが今後、新版に対しても訴訟を拡大する可能性があり、AOLは早急に対応を迫られることになりそうだ。

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(2001/10/31)

[Reported by hiro@nakajima-gumi.net]


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