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http://www.shokochukin.go.jp/
中小企業向けの政府系金融機関である商工中金は、「中小企業のインターネット利用等に関する調査結果」を発表した。
これは2001年8月に、商工中金が全国の取引先約5,000社に行なった調査をまとめたものだ(有効回答2,148社、回収率40.2%)。調査項目はホームページの開設・導入状況、インターネットの利用動向、電子商取引(以下EC)の動向などのテーマに分かれる。
調査によれば、中小企業でのインターネット導入率は、2000年8月の69.2%から、今回は82.1%に上昇し、全体の8割に達した。業種別の導入状況では、加工型製造業(出版・印刷、金属製品、一般機器、電気機器、精密機器など)が91.2%で最も高く、逆に最も低いのは小売業で75.7%となった。
またインターネット導入済み企業のホームページ開設率は、63.3%(2000年8月は56.7%、以下同)との結果になり、全体では半数程度の中小企業がホームページを開設している状況だ。ホームページ開設率が最も高いのはサービス業で82.5%(77.4%)、低いのは卸売業で、51.6%(49.8%)となっている。
ECについては、導入済みの企業はホームページ開設企業の37.5%(40.1%)、また検討中は35.1%(39.2%)と、どちらも2000年を下回る結果となった。さらに電子商取引の実施予定なしの企業は、2000年の20.7%から今回は27.5%と大きく上回っている。商工中金では「インターネットの導入率やホームページの開設率がともに上昇しているため全体に対する比率はわずかながらも上昇している」(商工中金調査部)と見ているが、インターネット導入率やホームページ開設率が順調に増加していることに比べると、ECへの取り組みには消極的になりつつある状況が感じられる。特に小売業では、“EC導入は予定していない”と回答した企業が2000年の13.3%から33.7%と急激に増えている。
EC普及への期待感にも消極的な姿勢は現われており、ECの普及・拡大が「好影響が大きい/ややある」とした企業が全体の25.1%(33%)、「さしたる影響はない」という企業は48.5%(36.3%)、「悪影響がある」とした企業は7.2%(4.9%)。特に卸売業や小売業で「悪影響がある」と見る企業が増えている。
商工中金では今回の調査結果を「効果が確実に見込める目的(相手の顔が見える商取引や情報収集・通信など)にインターネットを活用する企業が増加し、ECに対する過大な期待は沈静化した」と捉えている。
(2001/11/5)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]