【セキュリティ/調査】

IPAなど、10月のウィルス届出状況を発表~9月に比べ大幅に減少

■URL
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2001_11outline.html (IPAの発表)
http://www.trendmicro.co.jp/virusinfo/monthly_ranking/mvr011106.htm (トレンドマイクロの発表)

 情報処理振興事業協会(以下IPA)は、2001年10月分のコンピュータウイルス届出状況を発表した。

 10月の届出件数は1,241件で、9月の2,238件に比べて大幅に減少している。これは9月に猛威をふるった「Nimda」ウイルスが終息傾向にあるためで、同ウィルスの影響でPCユーザーや企業内でのセキュリティ意識が高まったおかげか、「Sircam」や「Hybris」といった他のウィルスの届出件数も、9月に比べるとそれぞれ半数~3分の2程度の数字となった。届出件数順では、1位が「Sircam」で245件(9月は704件、以下同)、2位は「Hybris」で230件(322件)、3位が「Nimda」で199件(322件)、4位が「Magistr」で191件(299件)、5位が「MTX」で81件(96件)となっている。
 ただ、「Nimda」ウイルスの感染実害率(ウィルスファイルを受け取っただけでなく、実行して感染した割合)は56.3%、届出全体から見た感染実害率は22.8%と、引き続き高い数字を示している。また「Nimda」の場合、感染したパソコン台数が50台を超えた事例が15件に上り、なかには300台以上が感染したケースも見られた。IPAではこうしたケースでは社内LAN経由で被害が拡大したとして、「社内LANにおけるフォルダ共有は被害拡大の原因」という特記事項を設け、共有設定の見直しや解除を呼びかけている。

 またトレンドマイクロ株式会社株式会社シマンテックも、2001年10月分のウイルス感染被害報告を発表した。

 まずトレンドマイクロではIPA同様に、9月よりは届出数が全体的に減少している。しかし、件数順では1位が「Nimda」で316件(486件)、2位が「MTX」で217件(332件)、3位が「Magistr」で126件(201件)、4位が「Sircam」で108件(193件)、5位が「Hybris」で92件(140件)と、引き続き「Nimda」による被害が高い。トレンドマイクロでは「Nimda」の亜種報告を含めて注意を呼びかけている。
 また新たに発見されたウィルスとして、Internet Explorerのセキュリティホールを悪用するウィルス「TROJ_KLEZ.A」をあげ、メーカーの発表するセキュリティ情報に注意し、セキュリティホールが見つかった場合、ただちに修正プログラムを適用することを促している。

 またシマンテックでは、感染被害の1位は「Hybris」で240件、2位は「JS.Exception.Exploit」で125件、3位は「Sircam」で110件となっている。同社は「Nimda」の亜種の被害拡大について警告するほか、引き続きメールの添付ファイルとして送付されるウィルスに注意を求めている。

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(2001/11/6)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


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